孤高のメス

タイトルだけ見ると敬遠しそうになる題だから
実際、敬遠してたのに
中身は小難しくなく、むしろ「孤高」って敢えてつけないでほしかった。

その中身、当麻医師の貫く姿勢こそが医師の本来の仕事なのではないか。
院長が「彼は少々曲者でして…」と言ってたセリフに
どこにもクセなどないじゃん、と思ったし。
生瀬さん演じる医者や柄本明市長のほうがもっと曲者。
正義と悪みたいなのが過剰すぎた演出だったかもしれない。

主役2人のクールに抑えた演技は好き。
はじめのほうのやる気なさげな返事の中村ナースが
当麻医師の手術によって
気持ちが徐々にシャキッと変化していくオペシーンが好き。

最後は「普通面接の前に気付くだろ、息子」とつぶやいてしまうぐらい
ベタな終わり方。
が、全体的に盛り上げすぎることもなく地味ながらいい作品だったな。