パンズ・ラビリンス

デルトロの映画を今まで見たことがあったっけ?
と、ふと疑問を感じたが
どうやら私は「ミミック」しか見てないことがわかった。

自分で映画が好きだと言っておきながら彼の作品を見ていない。
情けなくなった。

これほどエグくて苦しくてゾクゾクして泣けるファンタジー
大人向けに作られたファンタジー
あの頃はよかったね、と懐かしむ過去栄光録でなく、
気持ちが満ち足りていないとき、空想の世界で物語を作ってた「あのころ」を
思い出しながら見終えた。
時代や場面こそ違えど、自分自身もオフェリアだ。

求めていたファンタジーはコレ。
誰しもがおとぎ話のように幸せでよかったね、はい終わり、でなくて
人によってハッピー、アンハッピーの見解が違う結末。
答えは自分の中で見出す。

監督がどれだけ自分の空想力=想像力?を引っ張り出して
映像化したかっていうのが発揮された作品だと思う。

怪物たちも大好きだ。
手に目玉人間や、根っこ赤ちゃんなんていう得体の知れない生き物。
戦争より恐ろしい完全なる悪の大尉。
つくづくオフェリアにはあちらの世界で平穏無事に幸せに暮らしてほしいと願う。