百円の恋 感想

キャッチコピー

呆れる程に、痛かった。

安藤サクラ斎藤一

新井浩文…狩野祐二

根岸季衣…池内敏子

・バケモノ女優安藤サクラ

バケモノといっても最大級の褒め言葉だよ。

前から気になってたこの映画、やっと見てみた。

愛のむきだし」っていう映画で彼女の存在を知り

かなり衝撃を受けたんだ。

テレビドラマのショムニにも出てたけど

残念ながらそこまでパッとせず。

この決して美人じゃないけど

体当たりで演技する女優さんってそうそういないもん。

それがこの映画で、またバケモノになってくれたよ。

共感したいけど見ていて不快感極まりない前半の一子。

ブヨブヨ贅肉の背中をボリボリと掻くサマは

しょっぱなから顔歪めちゃったじゃないか。

賃貸物件探そうと家を出たときに

思いっきり転んだシーンのでかいケツ。

透けて見えるパンツ。

顔歪めちゃったじゃないか。

百円市場で働きだした一子。

バックヤードに来てはすぐさま一服。

あのプリン頭のボサボサ髪もそのまんま。

顔歪めちゃったじゃないか。

同僚にホテルでレイプされてしまった一子。

痛そうな顔に

こっちまで顔歪めちゃったじゃないか。

さすがです、サクラさん。

こんなに汚らしい人間を演じれるなんて

女優界にはいないよ。

嫌われ松子」で彼女を使ってほしいくらいだわ。

きっと若いときと中年になったときの松子を演じれるはず。

・同じく死んだ目が特徴の新井浩文もいい

サクラさんも相手役の新井浩文

死んだような目が得意とする役者さん。

このお二人、何度か共演してるみたいなんで

バッチリと息合ってます。

Hシーンで笑ってしまった。

狩野よ、乳首がいいんか 笑

しかしこの狩野は本当にゲスい。

何考えてるかわかんないし。

一子も前半は不可解な性格だったんで

似たもの同士が近づきあったって感じ。

タイトルに恋ってつくぐらいだから

この二人のそれまでとそれからの恋を

見守る形で〆てはいたけど。

んーでも狩野の存在で一子はきっとまた

ボクサーから女に戻ってかよわくなっちゃうんだろうなあ。

ボクサーでいるなら孤高でいてほしかったなあ。

あ、32才以上はできないからもう試合は出れないんだっけ?

かなりの短い期間で

あのだらしない体型から引き締まった体型に戻したみたいです。

これもまた役者魂を感じる。

そしてそして

顔つきまでもがかなーり変わってる。

あの生気のない死んだ目の前半と

ボクシングの試合の控室からリングにあがるまでの

一子の目の輝きがガラリと変わった。

環境によって人ってここまで変わることができる

というお手本のような輝きでした。

ものすごーキレイだったんだ、安藤サクラが。

・笑えるぐらい底辺人間の集まり

どこから底辺と呼んでいいのかは私の勝手な解釈。

でもそれが妙におかしかった。

うつ病の百円市場の店長。

これ、「セーラー服と~」の時に出てた坊主の晴雄でした。

私、この役者さんも好きだー。

新しい店長も底辺。

忙しい、疲れてるといいながら雑誌読んでる。

一子のことを足でつついてプチパワハラ

同僚のレイプしたやつは完全に底辺。

こういう人は虫けらのように死んでしまえばいいんだ。

根岸季衣の廃棄される商品を

かっぱらって持ってっちゃうセコイ人。

でも明るいからなんか好き。

豆腐屋の姉ちゃんも

とっぽいのはいいとして

見下したものの言い方してるから底辺。

ホームレスも生き方はどうであれ

豆腐のリヤカーかっぱらって過ごしてるから笑える。

新人店員くんも

何かにつけて「マジっすか?」しか言わないので笑える。

そのへんにいそうな痛い人ばっかです。

お父さんと一子の居酒屋シーンでの会話。

「おまえ、ちょっと変わったな」ってお父さんがいう。

いやいや、ちょっとどころじゃないでしょ!

あんなに痩せて、爽快な笑顔見せて

目的見つけた一子は180度変わったでしょ。

変わってく一子と

見事にそれを演じた安藤サクラの怪優ぶりに拍手。

百円の恋