血と骨 感想

ビートたけし…金俊平

鈴木京香…李英姫

新井浩文 …金正雄

・自分の中の信念や価値感を曲げない男

10年以上ぶりに見たわ~。

当時はひどい映画があったもんだ。

こんなにもゲスで勝手でクズのような男が実際にいたんだ?

とずいぶん顔を歪めながら見てたっけ。

で、今見返したら

気持ちが少々変わってた。

この10数年間で

現実にもっと凶悪な人間が出てきてるから

マヒしちゃってるのかしら。

だとしても決してこの俊平には共感せず。

己の論理が絶対であって

それに従わないものには暴力をも厭わない。

作者の梁石日→正雄や子供たちにしたら毒親としか思えない。

見ている私も早く死んでしまえばいいのに、

と幾度となく思いながらの鑑賞でした。

崔監督の良き加減なスパイスで

所々コントのような騒動に仕立て上げてくれて

クスッと出来る部分もあったり。

どこがって?

玄関や2階の窓を何回も割るからその都度修理大変だろうに。

花ちゃんの葬式で暴れまくるからその都度、花ちゃん遺体を移動させる。

この俊平、総じて人としてクズなんでしょうが

俊平なりの愛はあったりするんです。

人を想う気持ちはあるのに上手く表現できない人間。

愛人の清子が脳梗塞になっても見捨てることはしなかった。

本妻の葬式に呼んでもらえなかったから、醤油を買いに来たふりをしてみた。

花ちゃんの葬式では「娘はどこだ!」と自分なりの悲しみの表現。

遠く離れたところから見てるとその愛情表現も少しは気づきますが

こんなやつが実際親戚とかにいたらたまったもんじゃありません。

声だけでかくて、なんかいつも暴力や騒動起こして、皆から嫌われてる奴。

一瞬、うちの父を思い浮かべましたが、ここまでひどくはない。

かまぼこ工場の従業員だった吉男が、のちに暴力団組長に。

「あのオッサン誰ですか?」の問いに「化け物だ」

そう、まさに俊平は怪物人間でした。

しかし、たけしの出る映画は監督がどうとかに限らず

暴力がつきものの映画ばっかりだなあ。

どうにかならないもんかね?

北村君が出てるから、ってことで見直したこの映画。

これしか出てなかったっけ?という北村君でしたが

かまぼこ従業員も、組長も素敵だわ。

結局、北村欲でしか評価してない私でした。

血と骨