あなたへ

高倉健…倉島英二

田中裕子…倉島洋子

佐藤浩市…南原慎一

・軽く見てはいけないロードムービー

だってまさか健さんロードムービーに出ちゃうなんて

思いもよらなかったから。

これが最後の映画だったのですね。

心して見よう!

と大人の映画として腰を据えて見ることにしました。

ですが

何がいけなかったんだろう。

いけない、っていうよりハンパだなー。

知りたかった部分が映像として語られてない。

たとえば刑務官英二と、童謡歌手洋子が

知り合ったいきさつや経緯は映像化されてるのに

恋心に発展して夫婦に至るまでがない。

あの洋子が歌ってる歌は好き。

洋子との暮らしぶりや旅行等は

回想として流れるが、

洋子の病気や、蜜に一緒にいる時間とかが

あまりにも淡白でこっちの感情が揺さぶられない。

年の差夫婦みたいだが、うーん?何歳設定?

出てきた他の出演者。

重みがあるロードムービーかと思いきや

出演者にとって軽やかな映画に変わってしまった。

が、長崎の出演者は好きだ。

ひでじー!!!!!

食堂の女将が健さんに娘の花嫁姿の写真を渡したが

本当に最後まであのオチは気づかなかった。

どこで健さんはあの人が実はこの人だ、っていうのを見抜いた?

知ったっところで驚きより疑問を感じた。

だからこれも心ワナワナしなかったし。

偉そうじゃない佐藤浩市も久しぶりだな。

最後の絵ハガキの「さようなら」。

迷いがあるとか、どっちだっていいとか、決意とか

いろんな心情が英二にはあったようだが

それが私には全然読み取れん。

自分の理解力のなさか、健さんの演技力の乏しさか(失礼)

洋子の一人身勝手な独断さか。

まあ、健さんもあんな絵葉書見せられて困ったとは思うが

見てるこっちも

倉島夫婦の一緒に紡んできた深い愛の時間を見せられてないんで

「さようなら」の一言にお手上げ状態。

でもさすが健さん

ポジティブシンキング!

「○○という考えじゃないかと思うんですよ」

だが!

たとえ夫婦でも言葉で伝えあわないと

その人の考えってわからないこといっぱいあるんだよね。

昭和の男だなー健さん

いや、健さんが悪いわけではない。

もっともっと健さんを光らせてほしかった。

昭和のスター健さんを、健さんしかできない役を演じてほしかった。

田中裕子は抜群にキレイだった。

女の私でも抱きしめてあげたい愛おしい役でした。

天使のような役でした。

そんなこと思う私はやっぱり昭和の人間。

ロードムービーだから何日もかけて長崎に向かいましたが

私が住む埼玉から長崎まで、休憩入れながら車で18時間ほどで着きます。

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