39 刑法第三十九条

鈴木京香…小川香深

堤真一…柴田真樹

岸部一徳…名越文雄

・息苦しさ満点の森田芳光映画

ジャケットがキレイで惹かれます。

ちょっと偏見な目で見てました。

森田芳光だもん。

彼の作品はものすごく高評価か、完全に駄作かのどっちか。

この監督と知らず見始めて、すぐに森田の名前が出てきたときに

失敗しちゃったか?と思いましたが

いやいや、とてつもなく重くて、役者さんたちも演じきっていて

しっかりした作りの映画です。

それにしても重いし暗い。

音楽も輪をかけて昭和風にして、く…暗い。

監督作品では「黒い家」や「家族ゲーム」など

ちょっぴりブラックでも肩の力を抜いて見れる個所もあったりしますが

これに限ってはずっと肩ひじ張ったまんまで、体疲れました。

見ている側は疲れましたが、大作でしたね。

途中でこの柴田は実は…って想像できちゃうんですが

ここまで成し遂げる柴田の執念がすごいです。

が、その思いは全て刑法39条にからんでくるんだな、と。

考えてみると

心神喪失とはいえ、罰せずというのは

被害者遺族にとったらたまったもんじゃありません。

なぜに加害者なのにそうなる!となります。

映画の中で「事故にでもあったと思えばいい」的なこと言われましたが

(ニュアンス違ったらごめんなさい)

それで納得など出来るわけがない!

被害者遺族にとったら

相手が狂人だろうがまともだろうがそんなの関係ねえです。

まさに加害者の人権守るためにある法律でしょ。

おかしいです。

最近ニュースでは虐待と、店員が店でおかしな行為してるニュースばかり。

自分の子を殺しても刑期が軽すぎてる法律って、おかしすぎます。

脱線しちゃいました。

演じきった柴田。

ですが心の奥ではそれのみに人生費やした人間。

他の人はなんだかちょっと掴み切れない性格の人たちばっかり。

なぜにおどおどしてるんだ鑑定人。

なぜにガムクチャペッしてるだよ刑事さん。

一番おかしな奴はのうのうと生きてる畑田。

カフカのお母さん、料理いっぱい作ってる。

うちに来てほしいぐらいだわ。

裁判官、いきなり裸!

ああ、これが森田監督の息抜きシーンなんでしょか。

でもこれら見ても肩の力抜けなかったよ。

久々に見ごたえたっぷりの邦画を観ました。

39 刑法第三十九条