帰ってきたヒトラー

オリヴァー・マスッチ…アドルフ・ヒトラー

ファビアン・ブッシュ…ファビアン・サバスツキ

・とても笑える。が、とても笑えなくなる

タイムスリップじゃないけど

現代の人が過去に行くんじゃなく

過去の人がなぜか蘇り、現代に来ちゃった。

それがヒトラーだったら、さあどうする?

ヒトラー関連の映画のパロディがあったり

演説の仕方のヒトラー行動とか似ていて

笑えるんだわ。

しかもこの映画、単にヒトラーのことを皮肉ってる他国が作ったわけでなく

ドイツ映画なもんだからそれにも驚く。

可笑しすぎてこの後どうなるんだろう、のワクワク感がありましたが

徐々に「こいつ、やっぱりヒトラーだ」

ルシファーだぜ、ヤバイヤバイ!

と背中が寒くなる思いで、映画終了でした。

エキストラなのか本当の一般の人たちなのか

街中の人々とヒトラーのやりとりを

ドキュメンタリー風に描いてたりするシーンもあります。

その中にはモザイクだったり、目のとこだけ黒く棒線されてたり

っていうのもあるので

本当はどっちなんだろう。

もちろん人々は芸人ヒトラーだと思ってるわけで

反応も様々です。

喜び一緒に写真撮り人もいれば、中指立てたりしてる人もいる。

でもヒトラーは言うんです。

自分を選んだのは大衆なんだと。

(大衆が悪魔を生み出し、独裁者を作り上げたのねー。)

茶化すわけじゃないですが

良くも悪くもヒトラーは民衆の心をうまくつかむ人です。

沈黙の間。身振り手振り。言葉の抑揚。

けなして持ち上げる。善と悪。

難民や失業者問題など鋭く切り込み、

のほほんと料理番組や低俗番組見てる人を

引っ張りこませた。

今回演じた役者さんは

たぶん一生懸命ヒトラーを勉強して

望んだ役なんだろうな、と感じました。

ドイツすごいな。

自分の国をヒトラーが蘇ったことでディスろうとしてる。

歴史は繰り返す、の怖さをコメディとして映画で扱うなんて。

やっぱりヒトラーは蘇っちゃだめです。

世界がひっくり返るわ!

よく出来た作品です。

帰ってきたヒトラー(字幕版)