この世界の片隅に

 

 

監督 片渕須直

声 

のん…北條すず

細谷佳正…北條周作

小野大輔…水原哲

 

 

なんかさー、私は人と感性が違うんだろか?

ちょっとこの映画を観た感想を書いた人のとこをのぞきに行ったら

絶賛の嵐なんだけど。

 

泣かない人はバカ呼ばわりされてるし。

おぅおぅ、バカで結構。

泣きませんでした。

人それぞれだからね。

 

考え方や、映画の感想も含めて十人十色。

多数がけなしてる映画でも、良かったと思える作品いっぱいあるし。

決してひねくれた考えではないんです。

マイノリティが好きってこともないんです。

ただ、ここまで評価が高い映画でしたが、

私にはグッとくるものが来なかっただけなんです。

 

つまらなくはなかったです。

お決まりの睡魔も襲ってこなかったし

ぼやくことも毒づくこともない良くできた映画でした。

 

が、心に残るとか、強烈とか、感動とか

そういうインパクトが私の中からは出てこなかった。

 

原作があるみたいですね。

読んでないです。

冒頭、広島弁すごくって、難解でしたが

これはすぐに慣れました。

フィクションかノンなのか知らないですが

随分と研究熱心に広島弁をリサーチしたんだな、

という思いが最初に浮かびました。

 

あと主人公役の声やってるのんちゃん。

彼女は嫌いじゃないし、デビューのころからかわいい子だなと思ってました。

のほほんとしているすずの役にピッタリなのかな、

と思い、声の抑揚や感情に集中して聞いていましたが

今一つピンときませんでした。

全然合ってないわけじゃないのに、何かが足らんかったような。

 

広島市ではなく、嫁ぎ先の呉市が舞台。

戦争=悲惨、ということじゃなく

戦争をしている日本でも、たくましく生きてるすず

を描きたかったんですよね。

…にしても、ぼんやりし過ぎてるような気がして。

 

晴美を失い、同時に右手を失ってしまい

そういう呆然とした描写でくるんだ?と。

ただ、敗戦がわかったときの、すずの感情が爆発したシーンで

戦争によって本人も知らぬまま

ずっとずっと心が抑圧されたまま生きてきてしまったのかな。

だからいろんな出来事にも麻痺したままの思考だったのかなと。

 

たくましいと言えば

なんで列ができてるかわからないけど並んでみた。

結果、米兵さんの残飯をもらえて

「んま~!」と言って食べてるシーン。

あそこ好きです。

たくましい!

 

私、径子さんが好きでした。

この人は小姑で意地悪な役なのか?と思いきや

すずよりも悲しい運命を背負ってる人。

それなのにすべて呑み込んで、受け入れて、すずに優しくしてる。

 

ラジオで敗戦を知った後

路地で思いっきり晴美ちゃんの死を嘆いて泣き崩れていた径子さん。

ここは胸が締め付けられました。

芯が強く、お洒落で、家事も手際よく、凛として

状況をよく見極めていて、

なのに鍋の底を焦がす(笑)

径子さんが主人公でも良かったのに。

そしたらこの映画に、高評価つけたかもしれません。

 

 

 

 

この世界の片隅に