Guilty By Suspicion 

 

 

監督 アーウィン・ウィンクラー

キャスト

ロバート・デ・ニーロ…デヴィッド・メリル

アネット・ベニング…ルース・メリル

ジョージ・ウェント…バニー・バクスター

 

 

あはは(笑)

「サイテー!」だって。

タイトルかと思ってたらすっかり見出しを先に見ちゃって

どんなおバカ映画なのか、よし見てやろう、と引っかかったよ。

 

だってさ

「サイテー!」と言われるほどに気になってしまうのが人間のサガ!

なんと、全米初登場4位!

だけど日本未公開映画。

 

こんな見出しつけられたら

どんな規制がかかっとんねん。

面白そうじゃないか、って思うでしょ。

 

そしたら冒頭から共産主義だの、となんやら政治的な話。

う…苦手なんだよなあ、政治って。

でもデニちゃんが出てきたんで、仕方なく見始めたってわけ。

 

タイトルは原題表記ですが

日本用にすると「真実の瞬間」っていうタイトルのようです。

日本で未公開だったから訳されなかったのかしら。

 

一言でいうと赤狩りの話です。

 

じゃあ、赤狩りというと?

当時のアメリカや友好国での共産党員や同調者を

名を挙げて、さらけ出して刑務所入れちゃうっていう。

 

黙秘すれば共産党員とみなすとして刑務所。

誰か一人でも密告せよ、さもなければ職がなくなり追放じゃ!

という

自由の国アメリカらしからぬことを当時はやってたみたいです。

 

ウィキ見ると

チャップリンも容疑者になってたらしい。

なんなんだ、この時代のアメリカは。

 

主人公は実在の人物です。

自分が助かるには誰かを密告すれば…

でも自分は共産党員ではないし、

あの時参加したのは文句を言って帰ってきただけなのに。

 

共産党員の集いに「行った」というだけで

リストに載ってしまう理不尽さ。

真実が捻じ曲げられて、尾行までされて。

 

見ごたえはラストの法廷シーンです。

なんかこう、非常に嫌な喧噪というか、いろんな雑音。

あの秋元康似の裁判官の人の

行きつく暇もないほどのたたみかける物言い、

圧倒でした。

あれは、たまらん!

とんでもない演技だわ。

きっとこの緊張といら立ちの場面を撮りたくて

序章、本題を盛り上げきることなく最後にドカンとさせたのかも。

 

それを思うなら

あの「サイテー」な見出しの一文は

裁判官にささげたいと思います。

ただし、人間のサガじゃないけどね。

 

マーティンスコセッシもちょいと出てましたが

立ち向かうんじゃなく、逃亡すれば

どうにかなったんでしょうかね?

終焉すれば、すべてチャラになったんでしょうか。

 

政治には全く詳しくないんで

何言ってんだコイツ発言なんですが

私にはこの赤狩りっていうのは無意味なものとしか思えません。

思想や宗教観を変えろ、

ではなく、糸切れそうな横のつながりも捕らえて

とっちめて、でっち上げて、すべてを奪ってしまう考えは独裁者の思考。

人々は洗脳され、心眼で見ることもできず、

巻き込まれてしまった人は、本当にお気の毒としか言いようがありません。

 

 

 

 

 

Guilty By Suspicion (字幕版)