歩いても歩いても

 

 

監督 是枝裕和

キャスト

阿部寛…横山良多

原田芳雄…良多の父

樹木希林…良多の母

 

 

なんて素晴らしい映画なんだ!

万引き家族」より数倍いい!

是枝さんは何気ない日常の一コマや

微妙な間合い感や空気感を

役者さんに表現させるのが長けてる方。

 

もちろん俳優さん、女優さんも

演技派な人をキャスティングしてるので

より良い作品になってるんだと思います。

 

で、ちゃあんと

ホームドラマの「影」や「闇」の部分もちょこっと入れる。

山田太一さんとはまた違ったホームドラマ

ああ、昔でいうと小津さんぽいのかな。

 

私は嫁の夏川結衣演じるゆかりの立場で見ていました。

 

いきなりの余談ですが

私の義母さんは、息子たち(うちの彼様や義兄)曰く樹木希林に似てると言う。

確かに容姿は似てる…

でも義母さんに言うと怒る…らしいので言えない。

 

この映画は

何気ない会話が主。

YOUと希林さんの会話なんてまさにソレだし

阿部ちゃんと結衣さんの夫婦2人きりの部屋での会話もまさにソレ。

このまさに日常の会話は

見ているこっちも同じ感覚を持ったはず。

あるよねー、そうだよねー。

それでもこれが全く無駄なく、話がつながっていく。

もちろん映画なんで

声がかぶって誰が誰と喋ってん、っていうリアルすぎ描写はなく

見やすくはなってます。

 

こういう映画は感想よりもまずは見てくれ、です。

 

良多に背を向けて

闇の本音を語る希林母さん。

だよなー、そうだよなー。

自分の闇の部分とも共鳴する。

そしてゾッとするほどの鳥肌が後に立つ。

 

希林さん、見事です。

 

冒頭で

原田さん、希林さん、加藤治子さんが出てきて

あーこの方たちはもう存命してないんだよな

と淋しい気持ちで見始めたのですが

その後、本編にグイグイと引き込まれました。

本当に素晴らしい演者さんたち。

 

いつもちょっとだけ間に合わない。

 

傑作でした。

 

 

 

 

 

 

歩いても 歩いても