ディア・ドクター

 

 

監督 西川美和

キャスト

笑福亭鶴瓶…伊野治

瑛太…相馬

八千草薫…鳥飼かづ子

 

 

なかなか難しい行く末だあね。

いろんな人の感想を見てみると

各々、伊野先生が失踪した原因の解釈が違う。

 

そこで伊野さん、いなくなるの?

なぜそこで?

なんですよ。

 

パッケージ見ただけだと

ヒューマンな話なんかい、と思ってましたが

それだけでは済んでない。

監督はこういうのも作れる人なんだ、

と見直しました。

なんで今まで私、西川監督を受け入れてこなかったんだろう。

 

複雑です、人間ってやつは。

監督の他の作品でも言えることですが

一人の人間に対して

切り取った部分だけを見せてはいません。

良いとこも悪いとこもすべて見せてます。

だから法を犯した=悪い人と

ひとくくりに主人公を悪と見れないところで

映画を見てる私の心も揺らぎます。

 

そこに鶴瓶をキャスティングしたってのが

なんとも言えず天晴!

顔の表現力がね。

誰でも心を許しちゃいそうな鶴瓶笑顔。

でも瞳の奥の奥は笑ってない顔。

あ、一応この役柄としては褒めてます。

 

あとは八千草さんね。

さすがの演技力で、震えるほどです。

普通に暮らす普通の村人。

夜に鳥飼家を訪問した伊野先生。

そこでの2人の会話、行動、会話の間が

あまりにも普通過ぎて。

普通だからこそ、こっちもスッと溶け込んで見てる。

過剰でもなく、以下でもない演技力は難しかったでしょう。

 

2009年の作品なので10年以上も前か。

有名な役者さんもそうだし、

よく脇役で出てくる高齢の役者さんも

お亡くなりになった方のお顔いっぱい見れました。

普通に村人として熱演されてました。

 

あとは余さん。

身を任せたいぐらいピッタリの看護師役です。

惚れこんでる女優さんです。

 

ややや、演技力ばっかり書いてどーすんの?

白とか黒とかつけたくないんです。

映画に関しては、この映画の中の人たちが

幸せであればいいなあと。

いろんな複雑な気持ちが交叉した中、

病院でのちづ子さん&伊野のニッコリ顔で

チャラでいいんじゃない?になりました。

 

所詮、他人事のような感想になっちまった。

 

 

 

 

 

ディア・ドクター