監督 ピーター・ファレリー
キャスト
ヴィゴ・モ―テンセン…トニー・リップ
マハーシャラ・アリ…ドン・シャーリー
リンダ・カーデリニ…ドロレス
ヤバいぞ、この映画は。
見終わった後にしばし呆然としながら
この映画で起こったことを思い返す。
次の日になっても、まだ頭から離れない。
思い返してはジワジワと目に涙がたまる。
最強にインパクトがある2人だったわ。
最初見たとき、モーテンセンかよ…
あんまり好きじゃないんだよな。
と硬い頭が受け付けてくれなかった。
最後には、この人しかトニーリップできないっしょ、
という気持ちになった。
ドンシャーリー役のアリさんは
凛としたいで立ちの時と
ほころんだ笑顔のギャップがあって
とてもチャーミングな人。
ピアノを弾いてるときもいろんな表情になる。
彼、セクシーかもしんない(笑)
トニーの奥さんがこれまた素晴らしくチャーミング。
この奥さんがいてこそ、トニーがトニーらしく出来てるんだな。
ラストにシャーリーに抱きついて言ったセリフにキュン。
車の中でのフライドチキンのやり取りがたまんなく楽しい。
トニーに感化されて手で食べだすシャーリー。
トニーの語りが始まる。
「俺のオヤジは仕事するときも笑う時も100%の力を出せという」
「食う時は最後の食事だと思え」
そう、トニーはこの映画でよく食べる。
ホントに食べる食べる。
見ているこっちがお腹いっぱいになるほど食べるシーンが多い。
もし男ならば、トニーのような男に憧れるのかもしれない。
嘘ではない「デタラメ」で、その場を盛り上げたり取り繕ったり。
腕っぷしが良くて、世話好きで、物事をハッキリさせる。
よくしゃべり、よく食べる。
ちょっと下品で、すぐにカーッとなって。
奥さんのこと大好きで、文章力はないけど約束を守り手紙を書く。
人間味があふれててチャーミングなんだよね。
雨降る中での車内での2人の言い合い。
ブチ切れたシャーリーが車から降りてトニーに言い放つ。
自分は黒人でも白人でもない。男でもない。
独りで耐えてるはぐれ黒人なんだ。
…これまでの経緯を見てると、本当に刺さる言葉。
トニーの言い分も「そうだ!」と同調したが
シャーリーの本音を聞いたら辛すぎるよなー。
「そうだよな…」ってなっちゃった。
時は1962年。黒人蔑視が現在以上に激しい時代と場所だもの。
実話。
本人たちの写真も最後のエンドロールに出てくる。
感動を生むに完成された映画だと思う。
もう一度見たくなる映画だ。
アリさん、好きですわ。
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