イン・ザ・トール・グラス 狂気の迷路

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監督 ヴィンチェンゾ・ナタリ

キャスト

パトリック・ウィルソン…ロス

ライズラ・デ・オリヴェイラベッキー

ハリソン・ギルバートソン…トラヴィス

 

 

原作がスティーブン・キング

田舎町、農場もの?

ではなく、

草むらに足を踏み入れたら出らんなくなっちゃった!

という人も場所もお金をかけてない

シンプルイズベストなのに摩訶不思議なお話。

 

元はキングの短編小説のようですが、

これを1時間半もかけてよくぞ映画にしたもんだ。

まあ途中、やはりというか中だるみはありましたが。

 

けどね、最初っから食いついてしまった。

見ていくほどに目が離せなくなって、

これをどうやって話を広げていくんだろうと

ゾワゾワしながらの鑑賞でした。

 

その草むらに入ったら

時間軸もおかしくなれば、ループもしてしまう。

一瞬にして。

ベッキーは死んでしまったはずなのに、

その2か月後に草むらに入ったトラヴィス

なぜかベッキーと出くわす。

どれがホントの現実世界なのか。

今話してるベッキーは誰?何?

 

ラヴィス目線で見ていったら

わかりやすいかもしれない。

でも、ベッキーの死体を二度も見ることになるなんて。

 

ベッキーの兄カルも

実は幾度となく殺されている。

ああ…なんだか草むらの中に世界がいっぱいありすぎて

しっかり考えると頭が混乱するから

程よくスルーしながら見るのがベスト。

 

草むらの中にデデーンと存在してる

大きな黒い岩。

コイツは神なのか、呪いの塊なのか、

人間の持っている闇の部分を象徴してるものなのか。

 

途中、草たちが擬人化したような映像もあり、

なんだか嫌な気持ちにさせてくれる。

これが小説に書かれてるのかわからないですが、

キングの映画では妄想に憑かれたようなショットも

よく出てきますし。

 

私だったら「なんだ、これ?」

と、すぐに黒い岩を触ってしまうことでしょう。

後悔先に立たずの行動をよくとるので。

 

つっこめばキリがない話でしょうが、

スルー力をつければ、とってもよく出来た作品です。

人間6人と、犬と、草しか出てこないんだってば。