護られなかった者たちへ

護られなかった者たちへ

 

 

監督 瀬々敬久

キャスト

佐藤健…利根泰久

阿部寛…笘篠

清原果耶…円山幹子

 

 

小説が先だったのね。

東日本の大震災。

亡くなった人多数。

生き残った人の悲しみ。

悲しみと同時にすべて失い、貧困が待ち受ける。

プラス殺人が起きることによって

サスペンス仕立て。

 

「守」の字ではなく、「護」。

意味はかばう、たすける。

 

生きることに困窮し、生活保護を国に求めるも

いろんな条件があり受けられない人が

今でもたくさんいる。

その隙間をぬって不正受給で暮らしている人も

僅かではあるが存在もしている。

昔はもっと多かったよね。

自分の知り合いにもいた。

 

お役所の方からは

何もしてこない。

自ら動かなければ、誰にも気づいてもらえない。

動いても、なにやら条件ワンサカ提示されて

理不尽で悔しいが諦めてしまう人も知っている。

 

それに加えてこの映画では

震災後を加えてるので非常に重い話。

 

健君の眼の演技は「ひとよ」でも

見せつけられましたが、ハッとするほどの演技。

無気力な目、ぎらつく怒りの目、

けいさんやカンちゃんに向ける優しい目。

いろんな役で変化ではなく、

一人の人間のいろんな感情をむき出しにしていく顔つきは圧倒する。

どんどん役者としての魅力が増していく人です。

 

生活保護者が亡くなった時の場合、

お葬式はあげられません。

亡くなった時の衣服で、着替えることもなく

そのまま直葬です。

もちろん国からは最低限の助成金は出ます。

最低限で。

いや、可哀想だからせめて着替えさせてあげようよ、

と誰かが言うもんなら

「だったら葬式費用全てをあなたが出してください。

国は出しませんよ」と言われます。

 

映画の中ではチラッと説明っぽく

セリフでありました。

経済国なのに貧困率が高い日本。

物価も上がり、これからもっと苦しくなる生活。

声をあげても国に届くのでしょうか、ホントに…。

 

 

 

 

 

 

護られなかった者たちへ