猫が教えてくれたこと

猫が教えてくれたこと(字幕版)

 

 

監督 チェイダ・トルン

 

 

トルコ、イスタンブールからのドキュメンタリー。

 

ここには野良ネコ、地域猫のような猫がたくさんいます。

 

日本とトルコの法律は違います。

日本にいる、野良猫を基準に考えると

だいぶ偏った考えになるのでしょうが、

ちょっと角度を変えて見ると

とても素晴らしい国だと感じました。

 

野良猫にむやみにエサを与えるな。

これ以上野良猫が増えたら困るから。

という理由で、

エサやりさんは隠れて与えてるのが日本。

 

トルコは路上動物の保護が義務付け。

21年に動物の権利法が制定されました。

 

街にはペットボトルなどのゴミを捨てると

動物のカリカリが出てくる給餌マシンが設置されています。

あ、これは映画では流してません。

 

路上では犬猫専用の水飲み場があります。

人間は飲まないで、とも書かれています。

玄関先にもエサや水が置いてあるお宅もあります。

 

日本では考えられないような画、

さも堂々とエサやりをしている男性もいます。

飲食店で。

店前のテラス席でお客さんが座って飲食中。

催促が止まらない猫。

体を伸ばして、手慣れた様子で欲しがってる姿。

 

街中に猫がいます。

 

この光景が

猫好き、猫キライな人にはどう映るかはわかりません。

それは個々の判断で。

ですが、猫をかまってるこの国の人達の

幸せそうな顔。

猫によって生まれた思想。

猫との関係性。

 

猫に優しいこの国は

猫にとったら、とても住みやすい街なんだと思う。

本来持ち備えてる、猫の本能を思いっきり活かし、

のびのびと暮らせる街なのだと思う。

 

退屈しませんでした。

もっと見たいと思った。

街全体が猫に、動物に優しい国だ。

 

一方で。

我が家のハルが先日リバース止まらず

病院に駆け込みました。

吐き気止めと点滴注射してすぐ治まりましたが。

 

猫を閉じ込めちゃ可哀想と、

ここの国は自由奔放に皆で猫を可愛がってますが

やはり我が家の猫は特別なのです。

もうすっかり家猫に染まってるハルは

キャリーバッグに入っていても

外に出ようものなら不安で鳴き続けます。

8年も同じ部屋で寝起きし、生活し、

衣食住(衣はない)が確保できてるのだから

今さら野良になったら、そこには死しかありません。

閉じ込められてるなんて思ってもないはず。

 

トルコでは猫へのワクチンはどうしてるのかな。

猫特有のエイズ白血病はどうしてるのかな。

たぶん避妊去勢はしてるとは思うけどな。

それはちょっと気がかりです。

いくら猫らしく、自然にのびのびとはいえ、

防げる病気は人間が手をかけて、防いでいかないと

悲劇が増えちゃうしね。

でも、それが猫としての自然な摂理といわれたら…うーむ。

 

けっこう唸らせてくれる発言がたくさん

イスタンブールの人の口から発せられます。

これは猫を愛する人の哲学です。

 

猫も、猫を可愛がる人たちも幸せそうでした。

 

トルコ・シリアの早い復興を願います。

 

 

 

 

猫が教えてくれたこと(字幕版)