少年の君

少年の君(字幕版)

 

 

監督 デレク・ツァン

キャスト

チョウ・ドンユイ…チェン

イー・ヤンチェンシー…シャオペイ

イン・ファン…刑事

 

 

「いじめ」がテーマの映画。

世の中からいじめというものは

なくならないのかね。

人間は優劣をつけたがる生き物なのはわかる。

私の学生時代にもあった。

だが、今ほど陰湿ではなかった。

今は人間の質が落ちたように感じる。

自身も含めてだが。

この映画見ても、いじめのニュースを見ても

そう感じてる。

 

仮にね、ホント仮に

いじめられる側に問題があったとしても

その人を追い詰めるいじめは絶対によくない。

ましてや複数で一人をいじめるなんて

卑怯極まりない。

 

いじめシーンは

見ていて決して気分が良いものではなく

そのうちに青春ロマンス風なのも加わって

気持ちをどちら側に傾けて見たらいいか

迷いはしたものの

若手主人公2人の演技、

特にセリフがない刑務所面会シーンの再会は

かなり演技力が発揮されてたと思う。

 

文が長いよ。

 

もともとあまりこの2人だけの会話シーンが少ない。

なのに、受け手側にしっかり思いが伝わってくる。

どんな思いかって?

お互いが相手のことを好きで、本当に大切に思って

覚悟を決めて行動してるところさ。

ただ「スキだから」っていう恋感情ではなく

愛感情が

涙や口づけの描写で美しく感じました。

 

が、伝えたいことはいじめ問題なので

根っこを考えると、やはりめでたしめでたしでは

気持ち的には終わらなかった。

 

いじめだけでなく、

受験や貧困もテーマに加わってたので

なおさら辛いよね。

 

こういう悲惨さや過酷ないじめを世に訴えるために

撲滅するために作られた映画かもしれないが、

ロマンスに傾きすぎて現実味にちと欠ける。

 

少女が刑事に声にして訴えていたセリフのように

何かあった時に

「力になる」「誰か助けてくれる」と刑事は言うが

結局のところコトが起きなきゃ彼らは動いてくれやしない。

この時点で少女と刑事の言い分の温度差?

本質的な違いがわかる。

それじゃあ遅いのに…。

 

でも、それでも!

一人で問題を抱えないで誰かに話すことは大事。

ましてや子供のうちは世界が狭いんだから

なおさら別の道を見つけにくい。

人に伝える手段はなんだっていい。

どこかに抜け道が見つかるヒントをもらえるはず。

 

誰かがいじめられる側から解放されたとき、

また次なる標的が生まれる世の中。

本当にどうかしてるよ最近の世の中は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少年の君(字幕版)