営繕かるかや怪異譚

小野不由美の短編集。

それぞれの古い城下町が舞台で、各家から起きるいろんな霊現象。
怖いけど、最後はなんとなく悲しく切ない気持ちが残る。

営繕屋さんの尾端さんは、あくまでも営繕屋さんで霊媒師じゃない。
解決法は霊退治ではなく、ちょっとしたヒントで家をビフォアアフター。
この人が登場してくると気持ちが楽になる。

この作者の書く話の中身って怖いのが多いけど
これはそうでもないなー。
だからあまりホラーを不得意とする人にはちょうど良いのかも。
ただ、音もない静かな夜に読むと、
背中が寂しいというのか首をキョロキョロ回したくなるあっかんべー

短編の中で「雨の鈴」がじっとり怖かった。
鈴の音が私の耳にも高くチリンと響いてきそうでね。ベル
「異形のひと」と「檻の外」は可哀想だった。