ドクの好きなもの

ドクはまだおうちにいます。
明朝、火葬されます。

ドクはもう猫の体の中に入っていないと思います。
私たちの見えない「何か」になって
痛みも苦しみもなく元気に鳴いて動き回っていると思います。

牛のようにドスドス走り回ってたドク。
夜中も明け方も耳がつんざくぐらい大声で鳴いてたドク。
鏡を見るのが好きだったドク。
その鏡越しから人間の顔をチラ見してたドク。
食べる時も豪快で、力も豪快だったドク。

オモチャではあまり遊ばない子でした。
食べ物にも特に執着はしてなかったな。

明日、旅立つときにドクと一緒に何を入れてあげようか。
ドクの好きだったもの…
……ふと彼様が言いました。
「ドクは俺が一番好きだった」

…だからって、彼様が一緒に入るわけにはいきません。
なので彼様の匂いのついた服を一緒に入れようかと。
いつでもずっと一緒だよ、って。

今日はドクとの最後の夜です。
明日はお骨になっちゃいます。
素敵なドク.JPG