殺人鬼フジコの衝動 感想

・ノンフィクションかと思われたわ

こういうミステリー本が「イヤミス」っていうんだね。

後味悪いってやつ。

確かにね、

読んだ後はなーんにもしたくなくなるような放心感。

これって

もちろんフィクションのお話なんだけど

さも本当にあったような書き方なので

決して気分いいものじゃなかった。

まえがきもあとがきも

全てひっくるめて小説だから。

言葉マジックにかかれば

あくまでも作者の書いた感想みたいなのが

あとがきじゃん。

その「あとがき」も小説の中の作者のあとがきなんで

気持ちの切り替えが

私自身、うまくいってなかったらしい。

続編の内容も知ってるんだ。

でもそこに至るまでの描写っていうのが

血なまぐさいっていうか、

頭の中に黒いフィルターがずっとかけられてるようでね。

もう続編はいいや、と思った。

「忘れるの。嫌なことは全部忘れるの」

っていう

何度も執拗に出てくるオバサンの言葉。

引っかかっていたものが後に理解。

カルマかそうでないかは置いといて

フジコだけではあそこまでサイコ~にならなかったはず。

まわりのみんなもどこかおかしく

まともじゃない人が多く

負のスパイラルにフジコも入っていって

一連のことが起こったんじゃないかと。

でもあれだね、

真梨幸子さんは女子の気持ちの描写が

ハンパなく上手だね。

ああ、わかるわかるの共感部分あったし。

フジコが大人になって

あれよあれよと何人も殺し始める時には

ストーリーの展開が早くなってる。

要はフジコが完璧な殺人鬼になるまでの

育成ストーリーのような話ってこと。

小学生から20才ぐらいになるまでの

思春期敏感真っ盛りなお年頃の時のね。

これはドラマでやってたやつのを見て

いざ、原作があったから読んでみようと思ったんだ。

虐待で子供の心を捻じ曲げると

こういう恐ろしい大人になっちゃうんだよ、

というドロドロな闇話です。

映画でも本でも

もうサイコパス系の話を漁りすぎたんで

そろそろ神経が疲れてきちゃいました。

ホラーのほうがよっぽどマシで楽しいや。

ビックリすればいいだけだもん。

壊れた人間の話は神経すり減らすだけだ。

まじめに当面、この手の話はやめときます。

ここ2週間ぐらい、こんなんばっかに触れてるんで

ずっと憂鬱な気持ちがつきまとってる。

頭が筋肉疲労にかかって痛いのです。

殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)