9人の翻訳家 囚われたベストセラー

 

 

監督 レジス・ロワンサル

キャスト

ランベール・ウィルソン…エリック

アレックス・ロウザー…アレックス

オルガ・キュリレンコ…アニシノバ

 

 

軽快じゃないなあ。

見てる側にどんでん返しで驚かそうとはしてるけど

唸るほどは巧妙じゃない。

 

これって世界的にベストセラーになる本を

各国から翻訳家を呼び寄せ、

内容流出をさせないために隔離(ほぼ監禁)して

翻訳させるっていう序盤。

途中で、なぜだか一部が流出されてしまい、犯人探しが始まる話。

 

私には合わなかった。

確かにどんでん返しの、さらにまたどんでん返しがあるんだが、

そこに関しては「おおっ!そうだったのか!」という驚きがない。

前半は翻訳家たちの自己紹介も兼ねてダラダラ。

中盤、真意がわかり種明かし的なスピード感が増すものの

最後には、なぜそこまで面倒くさいことせなあかんねん、という。

 

途中で翻訳家たちを隔離させた出版社オーナーが

刑務所で誰かと面談してるっていう

謎な時系列を変えたストーリーも挟まれるんだけど

いまひとつ興味もそそられない。

 

あとこれはどんでん返しのために敢えて散らかしてるのか、

犯人は翻訳家の中の誰かだろうというのは

なんとなくわかるが、

人物像に深みがないので(9人もいるから時間がないのか)

彼らのチラリとした表面しか見えてなかったってこと。

別に誰にも共感なんかしなくてもいいんだけど

あまりにも人物があっさりしすぎなんで

コイツが計画練った軸の奴なんだー、とネタばらしされても

ふーんと無感情で見てしまった。

誰が怪しいのかも?という見ている側の推理すらさせてくれないし。

 

言い換えれば

一応の主人公を除いての、8人の翻訳家は

多少セリフのあるエキストラのような存在でしかなかったような。

 

三谷幸喜ならこの題材で

もっとワクワクできる展開になっただろうに、と

単純に思いました。

 

 

 

 

9人の翻訳家 囚われたベストセラー(字幕版)