夜市

恒川光太郎著。

とても読みやすい。
それでいて映像が頭の中で鮮明に浮かぶ。
現実世界のホラー話でなく、目に見えない異世界でのお話。
この異世界があってもなんら不思議じゃないんだよなあ、
と思わせてくれるところがニクイぞ。

「夜市」「風の古道」
読み終わった後、少しだけ寂しい気持ちが残った。
良いのか悪いのか、異世界から戻ってくると記憶が薄れてしまうから。
急速度で忘れていってしまうようだから。
それでいいのかもしれないけどね。

子供の視界あなどれない。
自分もきっと子供時代そうだったように。
大人になった今では目もくれない場所や空間が
子供時代には「それ」を見逃さなかったし、
スリルよりアドベンチャーだ!と思う気持ちのほうが強かったし。

なかなか良かったです。