コリーニ事件

コリーニ事件(字幕版)

 

 

監督 マルコ・クロイツパイントナー

キャスト

エリアス・ムバレク…カスパー・ライネン

アレクサンドラ・マリア・ララ…ヨハンナ・マイヤー

フランコ・ネロ…ファブリツィオ・コリーニ

 

 

ほらね、どんな昔にさかのぼっても

戦争なんて悲劇しか生まないのよ。

あの時代は良かったね、なんて皆が思うわけがない。

誰かが死に、身近な人が死に、生きることに必死。

何年、何十年経っても戦争に関わった人が生きている限り、

悲しみと傷は残るんだ。

 

いいことなんてひとつもない。

コレを見ながら現在の紛争が重なる。

敵意をむき出しにしていない民間人や建物まで破壊してる兵や軍。

やってることはナチスと一緒。

どうか、どうにか一日でも早く終わればいいと願う。

 

で、本編ね。

男はなぜ、ある男を殺したのか?という法廷ものです。

 

男は黙秘を続ける。

被疑者と被害者の関係性がわからない。

それを新米弁護士が紐解いていき、謎を明かすという話。

関係がわかれば罪の量刑が変わるだろうし。

 

なかなか重厚。

そして随分と過去にさかのぼる。

で、最初に書いたように戦争が関わってくるわけだ。

 

このカスパー弁護士が、新米らしいんだが新米に見えない。

かなり場数を踏んだかのようなやり手っぽい弁護士に見える。

見た目からして。

見た目と言えば、ピザ屋で働いてたワイルドなお姉ちゃんが

妙にカッコよい。

やる気が出てくる。

 

お姉ちゃんをなぜピザ屋から弁護士の手伝いに転身させたのか、とか

カスパーとその父はなぜに最初、あんな確執があったのか、とか

そのへんは端折られてるが意図的に入れたんでしょうか。

 

ドレーアー法という単語が出てきたので

調べてみましたが、とんでもないすり抜け法だわ。

こんな法を作り、多くの人々が国から見捨てられ

真っ先に実刑を受けなきゃならん連中が生き延びたなんて!

 

映画の空気が常にピリピリしてる中、

ラストの少年とその父親の幻想?シーンで

やっと気が緩むことができた。

秀逸な作品です。

 

 

 

 

 

 

 

コリーニ事件(字幕版)