ルワンダの涙

ドキュメンタリー色としては「ホテルルワンダ」よりこっちのほうが強い。
それに惨状が生々しい。
見て見ぬふりした国際、よって報道も遅れたため多くの人が知らずにいた
この民族対立の大量虐殺。
記憶に焼きつけておかなくてはならない歴史事実でしょう。

「ホテルルワンダ」同様、観て思ったことは、この世に神などいないじゃん、と。
なぜそこで生き延びた人と死んでゆく人の分かれ目を作るのか。
たまたま彼らはルワンダで生まれ育ち、ツチ族フツ族に分けられる。
それが運命だったというならば冗談じゃない。
神はそれを受け入れろとでもいうのか?
あんな殺され方をして魂が浄化するとでも?
では何のために彼らは生を授かったのか。
(後にテレビでインタビューに応じてくれたツチ族の女性はフツ族の皆を許すと言ってた。
とても境涯が高いと思った。)

ツチとフツ、私から見たら区別がつかないよ。
農耕民と遊牧民という違いで、同じ国で同じ言葉を話すのにどうして紛争する。
遡ればナチスとユダ、黒人と白人など必ず差別が生まれる。
神ではなく、人間の持つ悪しき心がそうさせてるだけじゃないかと。
避難した学校に置いてけぼりにされたツチ族
最後まで神を信じ最後には教え子に殺された神父様を
悲しみと怒りでやりきれない気持ちになりながら最後まで観た。

この映画のスタッフの数名は映画の舞台となった学校で
どうにか逃げて生き延びた人たちが手掛けている。
最後の最後で本人たちの写真が出るが、彼らは皆笑っている。
とびっきりの笑顔で。
この笑顔の裏には私等なんかが想像もできないほどの哀しみを背負って今を生きてるんだ
と思ったら泣けてきた。
本編では不条理さに腹が立ってたが、最後には涙した。
そしていろんなことを反省した。

平和すぎて脳みそドロドロな日本人、
小さいことでグダグダ悩んでんじゃねーよ、
我が子をオモチャのように虐待死させてんじゃねーよ、
誰でもよかったとほざいて人を殺してんじゃねーよ、
生きるのに疲れたとヌカして自殺してんじゃねーよ、
甘えきった人生をおくってんじゃねーよ、
とまで思ってしまいました。