ピカレスク 人間失格

 

 

監督 伊藤秀裕

キャスト

河村隆一太宰治

佐野史郎井伏鱒二

さとう珠緒…戸山初枝

 

 

ひとつ前の「花筐」の流れで

私の勝手な解釈の文壇シリーズとしてこれを見た。

 

花筐の映画もそうなんだけど

なんでこの時代の描くストーリーというのか

生きている人たちというのか

それとも「書く」お仕事の人だけなのか、

こんなにも退廃的なんだろう。

 

なんか死を美徳としてないか?

死んでどうなる?

死んでどうする?

儚さがキレイと勘違いしてるんじゃないのか?

時代背景が戦争だからか?

 

河村隆一は役者じゃないんで

彼の力量はどうでもよい。

脚本よ、脚本。

どうにかなんないの?下手くそ。

 

太宰のセリフから冒頭で入ってきたって言うのに

途中から妻や愛人主体のナレーションに変わってるし。

誰から見た目線なのか、

太宰の生きざまをいろんな視点から見て描いたのか。

どうにも突然に次なる「女」に変わるんで困る。

場面も急に変化するし。

見づらくて仕方なかった。

脚本が悪すぎた。

 

しかし太宰は次から次と女が変わること。

芸の肥やしがどうの~って一昔前はよく言ったものだが

彼は芸術家じゃないし。

私にいわせりゃ、男としてはクズもいいとこ。

一人の女性をしっかり愛せない(食わせられない)男が

どうして他の女も愛せようか。

 

ただの女たらしならクズで済むものの、

太宰の死にたい癖に付き合わされる女も

たまったもんじゃないよな。

一人は本当に死んじゃったし。

ま、最後は死にたい癖願望が

究極の愛と勘違いしてしまってる女のおかげで

実現させられちゃったわけだからな。

ホントに死んじゃったからやり直しがきかないし。

(実際はどういう心境だったのかは知らん)

 

ちなみに

太田静子さんのお子さんの太田治子さんは

やっぱりどことなく太宰治の顔立ちに似てるよなあ。

 

 

 

ピカレスク 人間失格