彼女がその名を知らない鳥たち

 

 

監督 白石和彌

キャスト

蒼井優…北原十和子

阿部サダヲ…佐野陣治

松坂桃李…水島真

 

 

一昨々年の映画だったか。

テレビスポットとか流れてて気にはなってた。

サダヲちゃんがなぜにあんな黒く汚い格好してるのか。

見るには勇気がいりそうな映画なんだろうなと。

 

原作は沼田まほかる氏でしたか。

読書はここ最近ごぶさた~ですが

ユリゴコロ」は読んだことある。

この「彼女は~」は未読。

 

なんだかずいぶん、アクが強い人間ばっか。

でもって、みんな黒くて汚い部分出し切っちゃってる。

だからかもで、誰にも共感できないし、理解もしたくない。

関わりたくもないし、近づきたくもないです。

 

松坂君は先日観た「娼年」より、

ずっといい演技してました。

クズっぷりも最高だし、濡れ場シーンもこっちのほうがいい。

 

竹野内さんもあまり見たことない役。

妙にワイルドだし、裸のシーンもしちゃうんだ?

しかし、彼までなぜ黒い?

 

いい男がクズ男演じるのは嬉しいです。

結果、当然の代償=殺されるってのは

最高に気持ちいいです。

いつもイケメンは爽やかな好青年役ってのはnon。

 

で、主役お二人さん。

もうサダヲちゃんはバッチリなぐらいバッチクはまってる。

彼はあんなに体格良かったでしたっけ?

建築系の役柄で体鍛えたのかな?

マルモとは180度違った役ですわ。

 

蒼井優は特別美人さんでもないのに

なぜあんなに魅力的なんでしょう。

完全なニートでメンヘラ。

冒頭から上から目線的な物言いが気になってました。

 

十和子にとって陣治はルシファーのような人。

体当たりの愛情を注いでる陣治だけど

十和子にとってあの生き方はマイナスにしかならない。

でも

あそこまで愛してくれる人間なんていないよ十和子。

 

容量無制限の底なし沼のような愛。

愛すれば愛するほど顔が黒くなっていく陣治。

十和子の黒い部分を全部自分が引き受けて

全部自分が背負って堕ちてった天使。

そこまで自分を犠牲に出来るほどの愛は私にはない。

 

愛なのかね。

まあ、いろんな愛情表現もあるからこれも愛か。

いろいろ考えてしまった。

共感はできないけど。

私だったら身代わり地蔵みたいなことしないで

一緒に大罪背負って生きてくかもな。

痛みを分け合うわ。

 

(陣治は咳き込んでたからたぶん病気だよね。

だからあの行動をとったのかもしれん)

 

ホントに共感はできない。

が、チクチクした痛みがずっとずっと残る映画。

ほかの映画で明るいサダヲちゃんを見ようっと。