アマンダと僕

 

 

監督 ミカエル・アース

キャスト

ヴァンサン・ラコスト…ダビッド

イゾール・ミュルトリエ…アマンダ

ステイシー・マーティン…レナ

 

 

フランス映画。

なかなかオツですな。

日常のパリの街並みが映える。

後ろに車がいるってのに

道路の真ん中を堂々と自転車で走り抜ける。

急に路線変更もしたりする。

会話がポンポン続いてて、フランス独特のおしゃれ感もある。

 

アマンダと僕。

姪っ子と叔父の関係。

 

ふふん、といい具合に見てたのに

突如として目も当てられない光景が!

見てる私もビックリしすぎて

最初はなんだか理解できなかった。

公園広場で消防か何かのイベントをしてるのかと思った。

よく見ると最悪の事態になっていた。

 

落としどころに面食らいました。

 

そして、それでも残された者で

生きていかなければいけない。

大好きだった姉が亡くなったダビッド。

大好きだったママが亡くなったアマンダ。

 

日本は平和なんでテロとか銃とか

遠い国の出来事のように思いがちだけど、

なさそうでありそなことに置き換えてみたらどうだろう。

テロでなくても

突然に交通事故で、でもいい。

24歳の自分が姉の子供の後見人として育てられるか?

 

映画映画してないというのかな。

アマンダ役の子は少し体格良く、少し大人びてる7歳。

監督曰く、ビラを撒いて子役の募集をかけたらしい。

玄人子役じゃなくて、あえて素人子役を選んだんだって。

 

会話最中や、何気ない日常で突然涙があふれてくる。

これは身内が亡くなった人はわかると思うんですが

数か月、1年以上たってもあるあるなことだと。

 

映画ではお葬式シーンはなかった。

でもお葬式最中は気が張ってるしね。

すべてが一段落して、緩んだ時に涙は出てくる。

「もうこの世にいないんだ」と向き合ったときに

涙って枯れずに出てくるもの。

あれだけ泣いたのにまだ泣けるものなんよ。

 

その泣きのタイミングのうまさをこの映画はとらえてる。

ウィンブルドンでのテニスの試合を見てる時の

あのアマンダの涙にもいろんな想いがあったろうに。

 

エルビスは建物を出た」=おしまい

アマンダの頭の中でこの言葉がグルグルと渦巻いてたんだろうね。

それを母の死と重ね合わせて泣き出す。

顔がグシャグシャに涙で濡らして。

計算されてない泣き方が上手でした。

 

子供なりに母の死をどう受け止めるか。

時には耐えきれず、無茶言ってみたり泣き出したり。

これから不安だろうし、どうなるのかわからないだろうし。

アマンダを見てたら胸チクチクしてきました。

同時にダビッドも揺れ揺れな心情だったろうに。

 

最後の笑顔に救われた―。

正直、あまり可愛くないなーこの子、と思ってたんだけど

最後の最後でやっと可愛く見えた。

 

 

 

 

 

 

アマンダと僕(字幕版)