ラストレター

ラストレター

 

 

監督 岩井俊二

キャスト

松たか子…裕里

広瀬すず…鮎美/未咲

森七菜…颯香

 

 

何の気なしに見て、

このブログを書くときに監督を調べて

初めて岩井監督だったというのを知った。

と同時に、すずちゃんと七菜ちゃんが傘さして

ふたりで立ってるシーンが脳裏によみがえった。

ああ、そうだよね。

画的に岩井監督だあね、と。

 

昔々見た「Love Letter」。

思い出せないんですよ。見たのに。

スワロウテイル」はかすかに覚えてる。

岩井文学と呼ばれるような

彼が持ってる独特の柔らかさと清涼美がある映像。

「リリィシュシュ」もそうだね。

名作なんです、確かに。

でも私にはガツンと来ないのです。

なぜだ?相性の問題か?

でも彼の持ち味は認めてます。

 

この時代に敢えて手紙を題材に持ってくるのは

染みる演出です。

若い人にはどう映るんだろう。

手間暇かかるし、相手に届くまで時間も要するし、

面倒くさいツールに見えるのかな。

 

テレビ見てる(今はテレビもそんなに見ないのか)

CM中の間にササッと相手に送れたりするのに対し、

便箋、封筒、はたまた切手までも用意する。

相手のためにじっくりと文を考える時間。

手書きなんで、字なんか間違えたら書き直しになる。

この向き合うという労力。

ラブレターを送るとなったら、より感情がこもった字体になりそう。

うへへ、懐かしいですね。

 

何よりも何年経っても「残る」。

私も残してます。

28年前の彼様とやり取りした手紙の数々。

押し入れにしまってます。

たぶん彼様は超恥ずかしいだろうから、

どっちかが死んだときに読み直すことになるんだろうな。

手紙っていうツール。

重くていいっすね。

 

この映画の中に出てくる

阿藤というトヨエツが演じた男のセリフが

一番刺さりました。

グダグダと一人語りしてましたし、どす黒い役です。

でもガツンと来ました。

 

あとは鮎美が乙坂に「もうちょっと早く来てほしかった」と

伝えてるシーン。

これは見ている側は涙そそられます。

一緒に泣いてくれよ、と言わんばかりのシーンです。

ええ、泣きませんでしたが、かなり本気度伝わりました。

 

なぜ庵野さんなのか、

なぜ小室等なのか、

そこんとこわかりませんでしたが

岩井監督の構想を練った中では彼らが良きキャストとして

抜擢されたのでしょう。

 

若手女優もお見事な演技でした。

七菜ちゃんの自然に天然っぽく演じてたとこが可愛かった。

プラス福山雅治で大正解。

映画なもんで福山クラスの俳優を使って当然なんですが、

これが25年経ち、頭禿げ上がった恰幅いい中年の乙坂なら

お話になりませんもの。

 

すべては映画です。寓話です。

 

 

 

 

 

 

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