罪の声

 

 

監督 土井裕泰

キャスト

小栗旬…阿久津英士

星野源…曽根俊也

梶芽衣子…曽根真由美

 

 

今日は11月14日。

たまたまなんだけど、この日とこの映画の事件について

関連する日に鑑賞だ。

 

やぁ、もう傑作です!

これだけ長時間の映画なのにあっという間。

飽きるとこが何一つない。

人物像も無駄な人がいない。

前日見た「殺人の追憶」と同じ実話ベースの未解決事件。

でもこれは殺人ではなく、

グリコ森永事件がベース。

それでも昭和の大事件でした。

 

思ってた以上の出来だったので

してやられました!

 

この映画ね、ずっと見たかったの。

前の職場にいたときにロケでエキストラが大量にいたんだわ。

聞くと、小栗旬と源ちゃんが主役だっていうじゃない。

も、もしかすると撮影に来てるのか???

とコーフンしながら当時職場で騒いでた思い出が。

 

映画見てたら

確かに職場は映りましたが(動物園ね)

彼らは来てなかったことが判明。

100人ぐらいのエキストラさん、おつかれさまでした。

 

当時、騒がれましたね。

キツネ目の男。

今でもこの似顔絵見ると、不気味に思えます。

その役の人があまりにも似すぎてて笑えた。

 

人の証言を聞きながら

徐々にキツネ目の男も属していた

犯人グループの正体がわかっていく。

新聞記者阿久津と、当時のテープの声の主の曽根の2人。

見ている側の私も一緒になって謎解きしてる気分。

 

真相が解明されてくうちに

テープに録音した他の子供の行方も判明。

生島総一郎。

ん?あのまだらな髪は…もしかすると宇野さんではないか!

眼鏡の度が強すぎて、最初宇野さんと気づかなかった。

 

生島家母子の事件後の壮絶な人生を語る総一郎。

不幸をしょい込みすぎて

立ち姿まで哀れに見えてしまう宇野さんの迫真演技が

キラリと光ってました。

 

今、あの子供たちはどうしてるんだろう。

この映画は事実とフィクションをうまく混ぜたけど

映画と同じように

犯罪に巻き込まれちゃったんだよなあ。

何も知らず声だけ加担してしまって気の毒。

 

社会派映画でこれだけ面白いと思ったのも久々。

時効にはなってしまいましたが

映画のように少しでも真実が明るみになればと願う所です。

 

 

 

 

 

 

罪の声

殺人の追憶

 

 

監督 ボン・ジュノ

キャスト

ソン・ガンホ…パク刑事

キム・サンギョン…ソ刑事

キム・レハ…ヨング刑事

 

 

やっと見れた。

タイミング悪く、この映画を見ようとすると

無料で見る期限が過ぎてて見逃してたんだ。

ずーっと待ってた甲斐ありました。

 

期待しすぎて…じゃないけど

映画が見れない分、この事件の詳細を

先にネットでいっぱい調べてたので

概要は頭でっかちになりながらの鑑賞でした。

 

制作して公開して、

この未解決事件というのを知ったうえで

映画にしちゃうってのもすごいよね。

日本の「三億円事件」もそうだけどさ。

 

ラストでソンガンホがドアップで

カメラ目線で語り掛けるシーンがある。

これは監督の意図するところで

もしかすると犯人が見るかもしれないから、

という思いも込めてそのように撮ったらしい。

 

この未解決事件、時効が成立しちゃったけど

2019年に犯人が自白した。(別の事件で収監されてた)

で、この映画を刑務所内で見たらしい。

歳月かかったけど、本当に見たんだね犯人。

 

監督の色なのか

サスペンスなのに多少コミカルな部分もある。

「パラサイト」見てもわかるように。

あと世相とか、自国の社会的な問題も入れてる。

少々皮肉りながら。

 

これもそうでした。

警察がね、あまりにもお粗末すぎやしませんか?

フィクションの話ならどう描いても構わない。

が実話ベースなのに、

警察の内情はきっと本当にこんなもんと推測する。

 

当時だから目をつむるってことではないですが

今の時代なら人権問題になりますぜ。

目を付けた被疑者(犯人確定ではない人)に

あらゆる拷問まがいのことしてまっせ。

こんな警察の行動がまかり通ってたなんてね。

 

疑われた人や関わった警察の一部の人も

ストレスで何人か亡くなったみたいだし。

どれだけの人を巻き込んだか。

ずさんすぎる警察の体制は今は改善されてるのかな。

 

事件から約20年経ったラスト。

田んぼ道で小学生と出会ったソンガンホ。

ついこの前、犯人と思われる人もソンと同じように

田んぼ道に来たらしい。

「どんな顔してた?」「普通の顔」

で、ソンのドアップで〆るんですが

自白した実際の犯人イ・チュンジェってやつが

これまたホントに特徴のない普通の顔。

 

未解決が解決し、

犯人の顔なり経歴なり

すべての真相がわかったうえで

この映画を見ると

より寒さが増してきますだ。

 

性的倒錯だって~!

理解に苦しむ。

 

 

 

 

殺人の追憶(字幕版)

子宮に沈める

 

 

監督 緒方貴臣

キャスト

伊澤恵美子

 

実際の事件として起きた

大阪2児餓死事件と

苫小牧幼児置き去り餓死事件の映画化。

ネグレクト。

 

決していい気分はしないし、

怒りのぶつけどころもない。

見た方が良かったのか、

見なければ良かったのか。

 

映画にしなくても

頻繁に起き続けてる子供の虐待。

この事件の母親も実際は幼少期ネグレクトだったらしいが

負の連鎖はどこで断ち切ればいいのだろう。

福祉だけでなく、周りの目も希薄な現代。

心が痛くなる。

 

映画というより

ドキュメンタリーに近いような撮り方。

音楽もない、特別なセリフも多くない。

母親が帰ってこず、子供2人の動きを

時に定点カメラで撮ったり、

シンプルにただカメラで長回ししてる手法。

それによって、より現実味が帯びる。

 

母親の変わっていくサマはあまり大きな変化を見せない。

暗転するたびに、少しずつ部屋が散らかっていったりはするが

子供の体に傷をつけるという虐待ではないので

いなくなるまでは至っていいママ風だ。

静かに起きてるネグレクト。

 

映画だからなのか、

これでも充分に苦しくなる話だってのに

実際はもっとひどい女だ、この母親は。

キレイに描きすぎてるよ、と感じた。

大阪のも苫小牧のも懲役15~30年らしいが、

同じように飢えと水の刑に処してもらいたい。

 

幸ちゃんを演じた女の子、体当たり演技でした。

いやホント、良く演じれたわ。

自らのオシッコ漏らして、下着取り替え、床拭くトコや

弟の粉ミルク作ってあげてるとこや

飢えで、コメを貪り食うとこやマヨネーズ…。

 

弟、死んでしまったときの姿。

もちろん弟の大きさくらいの人形を使って

見せかけてるのはわかってるけど

それでも嫌な気分になった。

 

確かに子育てしてれば

子供の鳴き声がうるさいときはある。

自分より、子供優先に動かなければいけない時が多い。

母親が若ければ、男に気移りするときもあるだろう。

 

それでも!

人を、命を己が作った以上、

目を背けずに、責任から逃れずに

踏ん張ってほしい。

どうしてもダメなら、自分がその責任を負えないなら

すぐさま他人の手を借りてほしい。

 

覚悟して命を世に送り出してほしい。

子供は暇つぶしの道具じゃない。

可愛いだけのペットじゃない。(語弊ありますね)

一人の人であり、命であるのだから。

最後、

子供までロールキャベツにするな!!

この母親、大馬鹿野郎だ!!

 

 

追記;

見てから数日経ってますが

幸ちゃんがマヨネーズ水吸って、飢えをしのいでるシーンが

頭の中でリピートされてます。

トラウマになってます。

 

 

 

子宮に沈める

闇はささやく

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監督 シャリ・スプリンガー・バーマン&

   ロバート・プルチーニ

キャスト

アマンダ・サイフリッド…キャサリン

ジェームズ・ノートン…ジョージ

レイ・シーホーン…ジャスティ

 

 

久々洋画を見たらハズレを引いちゃったみたい。

理解しにくい。

話の流れが不親切。

映画見終えて、どなたかのサイトのあらすじを

読んでおさらいしました。

 

感情抑えてブログは書いてますが

実際見終えてすぐに「つまんねー!!」と叫んだわ。

 

一緒に見てた彼様は寝てしまうし、

なかなか話が進まないし、退屈もいいとこ。

話が展開していかないんだよね。

ダラダラとなにか不穏が続いてるだけ。

 

もしかすると大事なシーンを

コーヒー作りに行ってる間に見逃したのか?

このシーンはよくわかんないんだけど

あとで回収する伏線となるのか?

と、理解できないとこも多々。

見逃しでも伏線でもなく、

スピリチュアルすぎてついていけなかっただけ。

 

ホラーでもなくサスペンスとよぶにも弱すぎるし

楽しむ要素が全くない映画でした。

 

 

 

恋妻家宮本

 

 

監督 遊川和彦

キャスト

阿部寛…宮本陽平

天海祐希…宮本美代子

浦上晟周井上克也

 

 

阿部ちゃん作品はほとんどハズレがないわ。

これも間違いなく当たりでした!

 

ホッペがもうあがりっぱなしで

口角もたいして下がることない良作。

途中途中で波乱はあれど、そこも想定内。

ただ、年齢層で言えば高めの人が見たらより共感するな。

経験した人にとったら、まさに「そうそう!」。

 

50才。

子供が結婚し、巣立って行った夫婦。

さてどうする?

 

こんなにも華がある主役2人なのに(阿部&天海)

そこは役者さん。

くたびれた感じがよく出てます。

いい具合のオッサンとオバサン感がたまりません。

親近感覚えます。

 

菅野ちゃんの知らなかったキャラも楽しく見れました。

ああいう役もこなせるんだーと。

 

浦上君も表情の微妙な変化が不自然でなく、うまいです。

富司さんは画面に映るたびにこっちまで妙な緊張したわ(笑)

さすが、でした。

 

夫婦だけになり、あらためて見つめ返すこの時期。

これを乗り切ったら、ジジババになっても愛は安泰でしょう。

 

優しい人は言い方を変えると優柔不断な傾向が強い。

わかります。

うちも同じです。

陽平は少し考えが後ろ向きなとこが強いです。

自信のなさの表れ、とセリフでは言ってますが。

 

27年続いた宮本夫婦。

積み重ねた歴史がたくさんあるでしょう。

あの時もあんなこと言ったよね。

この時は〇〇に行って、〇〇したよね。

かけがえのない夫婦の宝物になってると思います。

 

が、たとえ長く連れ添っても、相手は自分ではないので

相手の考えてることがわからない時もあります。

宮本は授業で夏目漱石の言葉を引用し、

「考えよ、語れ、行え」と黒板に綴ります。

端折った引用ですが、大事なキーポイント。

 

ありがちな

言わなくてもわかるだろう、

というイミフな安心感はケンカの種になりますだ。

それに映画のように、行動に移さないと

相手に伝わらないこともたくさんありますだ。

 

宮本の良くないところ、

考えすぎるところ。

多少の思考はいいが、優柔不断の彼は

思考の迷路から出られなくなる(笑)

 

ホントはたっくさん書きたいことがあるんだけど

今回は呑み込むことにするわ。

 

この絵になる主役2人が

ここまでギャップあるような役を演じてくれて

しかも違和感なくハマってくれて

得した気分になりました。

 

で、みんなして歌まで歌ってて

幸せな気持ちになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

恋妻家宮本

50回目のファーストキス

 

 

監督 福田雄一

キャスト

山田孝之…弓削大輔

長澤まさみ…藤島瑠衣

佐藤二朗…藤島健

 

 

アダムサンドラーとドリューバリモアの

オリジナルは見たわ。

それのリメイク。

福田組の面々で。

 

ほとんどストーリーはオリジナルに忠実に再現。

なので展開も知ってはいたが、

これは福田さんが監督をしてくれたおかげで大正解。

 

日本人が同じ感じで作ったら

もっと質感がウエットで泣きがおおかったかもしれない。

福田さんのコメディも交えてのセンスのおかげで

どうにかカラッと仕上がったのだと思う。

やっぱり原作には叶わないんですが、

頑張ったよ。

面白かったよ。

 

太賀が福田組の俳優陣に食らいついていってたね。

今回はムロさんの笑いより

太賀の頑張った笑いの方が私には上回った。

今回と言っても、何年か前の映画ですけど。

 

何が違ったかと言ったら

主人公の職業が違ってたんだ。

オリジナルは水族館の飼育員だったから

当然、海の仲間たちも演技してくれてて

それが私は楽しかった一因でもあった。

日本版はツアーガイドが職業で、

こっちはほとんど大輔の仕事ぶりは出てこなかったし。

 

瑠衣に会いたいと、

あの手この手で毎日いろんな方法で会う大輔。

車のエンジントラブルで…とバッテリー差し込んだ時の

大輔のニセ感電ブルブルした姿が

Mr,ビーンによーく似てたこと!

顔が濃いんでなおさらですが。

 

オリジナルとリメイク、

どっちも好きです。

リメイクしたこっちの方が笑いの要素は強いけど

これぐらいコミカルにしないと

日本人の気質として悲しく重い話になっちゃうんで。

 

アダムサンドラーの独特な頭の形、たまご頭でしたが

大輔→山田君の外見持ち味はどこかで自虐ネタ入れてたっけ?

太賀のセリフの「胸毛がほしい~」しか記憶にない。

山田君は顔の濃さと、眉毛と、あと胸毛か。

その濃さをもっと自虐してくれれば…これ以上笑いはいらないか?

 

途中途中流れた

山崎まさよしの曲も良かったです。

 

 

 

 

50回目のファーストキス

未成年 韓国映画

 

 

監督 キム・ユンソク

キャスト

キム・へジュン…ジュリ

パク・セジン…ユナ

 

なぜタイトルが未成年なのか

調べてないのでわかりませんが、

複雑な話だったなー。

 

親の不貞で少女たちが翻弄し、傷つき、

最後には大きく成長したのね、というおおまかな流れ。

未成年っていうタイトルだから少女二人がメイン。

 

ジュリの父親がその不倫男で

とんでもなく情けない、しょーもなー男。

この人が監督やったんだって。

 

こういっちゃあ、映画が成立しなくなっちゃうんですが

親が不倫し、子供が知ることによってどれだけ傷つくか。

まして妊娠もしてて。

娘等、思春期真っただ中なのに。

 

それでも少女たちは葛藤しながらでも

どうしていくのが一番いいかと

少女たちなりに模索しながら対処していってた。

 

問題なのは当の不倫してた大人たち。

彼らは未熟者としかいいようがない。

 

視点が少女たちなので

大人たちの心の動きは少ししか見えてきませんでしたが

それでも「親」としてあり得ない行動をとってる。

自分たちのしてきた行動に

なぜ真っ向からぶつかっていこうとしないのか。

 

この中で、私と人生が一番近かったユナの母親。

近いからなのか、一番腹が立った。

何に腹が立ったかというと

不倫して妊娠して、ってとこじゃなく

娘ユナに対してね。

 

母親とユナが口げんかするとこがあった。

母親が娘に言う。

「若くして、出産して、子育てして、自分の人生オマエのために…」

娘にとっちゃそんなこと知らんがな!って話だよ。

自分で選択した人生なのに

そんなの子供にぶつけてどーすんの?

あまりにも幼稚な頭の持ち主なんでバカかと。

体だけはいっちょ前に大人なんで

やることしてりゃ妊娠もするわな。

でも頭が幼児なんで、「避妊」という術は知らなさそうな。

 

ちょっと脱線してしまった。

いかん、熱が入りすぎた。

 

自分の親たちが不倫してたことによって

出会ったジュリとユナ。

それぞれが苦しんで、傷ついても

義弟が生まれたことによって互いの感情にも変化が。

 

ラストはあれでいいんだろうね。

大人たちよ、見習えって思う。

 

脇役女優ヨムヘランさんもちょこっと出てた。

日本の野間口さんみたく、

気になるちょこっと俳優さんになってきたぞ。

 

 

 

未成年(字幕版)