子宮に沈める

 

 

監督 緒方貴臣

キャスト

伊澤恵美子

 

実際の事件として起きた

大阪2児餓死事件と

苫小牧幼児置き去り餓死事件の映画化。

ネグレクト。

 

決していい気分はしないし、

怒りのぶつけどころもない。

見た方が良かったのか、

見なければ良かったのか。

 

映画にしなくても

頻繁に起き続けてる子供の虐待。

この事件の母親も実際は幼少期ネグレクトだったらしいが

負の連鎖はどこで断ち切ればいいのだろう。

福祉だけでなく、周りの目も希薄な現代。

心が痛くなる。

 

映画というより

ドキュメンタリーに近いような撮り方。

音楽もない、特別なセリフも多くない。

母親が帰ってこず、子供2人の動きを

時に定点カメラで撮ったり、

シンプルにただカメラで長回ししてる手法。

それによって、より現実味が帯びる。

 

母親の変わっていくサマはあまり大きな変化を見せない。

暗転するたびに、少しずつ部屋が散らかっていったりはするが

子供の体に傷をつけるという虐待ではないので

いなくなるまでは至っていいママ風だ。

静かに起きてるネグレクト。

 

映画だからなのか、

これでも充分に苦しくなる話だってのに

実際はもっとひどい女だ、この母親は。

キレイに描きすぎてるよ、と感じた。

大阪のも苫小牧のも懲役15~30年らしいが、

同じように飢えと水の刑に処してもらいたい。

 

幸ちゃんを演じた女の子、体当たり演技でした。

いやホント、良く演じれたわ。

自らのオシッコ漏らして、下着取り替え、床拭くトコや

弟の粉ミルク作ってあげてるとこや

飢えで、コメを貪り食うとこやマヨネーズ…。

 

弟、死んでしまったときの姿。

もちろん弟の大きさくらいの人形を使って

見せかけてるのはわかってるけど

それでも嫌な気分になった。

 

確かに子育てしてれば

子供の鳴き声がうるさいときはある。

自分より、子供優先に動かなければいけない時が多い。

母親が若ければ、男に気移りするときもあるだろう。

 

それでも!

人を、命を己が作った以上、

目を背けずに、責任から逃れずに

踏ん張ってほしい。

どうしてもダメなら、自分がその責任を負えないなら

すぐさま他人の手を借りてほしい。

 

覚悟して命を世に送り出してほしい。

子供は暇つぶしの道具じゃない。

可愛いだけのペットじゃない。(語弊ありますね)

一人の人であり、命であるのだから。

最後、

子供までロールキャベツにするな!!

この母親、大馬鹿野郎だ!!

 

 

追記;

見てから数日経ってますが

幸ちゃんがマヨネーズ水吸って、飢えをしのいでるシーンが

頭の中でリピートされてます。

トラウマになってます。

 

 

 

子宮に沈める