あちらにいる鬼

あちらにいる鬼

 

 

監督 廣木隆一

キャスト

寺島しのぶ…長内みはる

豊川悦司…白木篤郎

広末涼子…白木笙子

 

 

原作小説の著者は

寂聴の元不倫相手だった作家の娘さん。

 

寺島さんが剃毛したことで話題になりました。

彼女にしかできなさそうな役だものね。

出家するのはラスト間近で

白木との関係なども含め、

延々俗世界の「みはる」さんの話です。

 

みはるよりトヨエツ白木のほうに

焦点があたってたような気もするんだけどね。

そこはやはり娘が書いた作品だから

父びいきになっちゃうのかなあ。

 

一言で言えば、なーんも感じませんでした。

誰にも共感できないんだもの。

人生の一大発起の「出家」の告白シーンも

サラッと海辺で言うもんだから

苦悩もなにも感じられない。

まあ、不倫を絶つためにそっちの道に進もうという

逃げ場的な考えが元々好きになれないんだけどさ。

どうせなら

白木さんの女癖を絶たせるために

彼こそ仏道の世界か、依存症なおした方がいいかもと。

あ…ボーズは女好きか。

 

プライベートなことは置いといての広末。

こういう役ってホント上手いと思うのよね。

こんな夫でも、それでも私は支えてます、愛してます的な役。

元不倫相手にさえ同志的な感覚を持って

接することのできる寛容妻。

絶対に夫は自分とは別れないであろうの

手のひらで夫を転がしてる法師様みたいな妻でした。

 

だから、白木夫妻のほうが

映画のカラーとしては濃いんだよね。

寺島さんの魅力がもったいなかったような気がしたわ。

 

作家といっても

あまり書き物してるシーンが少なかった白木。

酒飲んでるか、女と戯れてる印象が強く

それでも当時の家からするといいところに住んでそうな。

なぜか、こういうクズ男?

道楽や好色男に女性はのめりこみやすいのだろう。

そこがまた魅力なのかもしれないね。

 

寂聴さんと実在した井上夫妻は

同じお寺にお墓があるそうです。

不思議な関係だ。

 

 

 

 

 

 

 

あちらにいる鬼

Zアイランド

Zアイランド

 

 

監督 品川ヒロシ

キャスト

哀川翔…宗形組長

鶴見辰吾…武史

木村祐一…反町

 

 

しょーもな!けどオモロ!

ヤクザとゾンビとコメディでなかなかセンス良しでした。

 

哀川翔30周年記念映画と銘打ってしまうと

なぜにコレ?になりますが

風間君がやりそうもないクズ役やってたり、

鶴見さんがアニキのケロ声を真似してたりと

意外なとこがなんだかウケた。

どうせなら中野英雄にもギャグやってほしかった。

哀川翔主役なのに

なぜか分散されててメインで出づっぱりになってない。

 

10年位前の映画なんで

山本舞香も今ほど尖った感じではなく

むしろ誰だっけ?って最初思ったわ。

 

Hなセリフも多少の卑猥なシーンもOK。

今って妙な規制やコンプラ云々あるから

マイルドになっちゃうかもしれませんね。

10年前の映画で良かったってことか。

 

玉置浩二はどこにいたんだ?と

後から気になって調べたら

最後のゾンビに扮してたんですね。

気が付かなかったわ。

 

吉本芸人は…どっちでもいいです。

あんまり興味ないんで。

 

 

 

 

 

 

 

 

Zアイランド

ナイアド その決意は海を越える

 

 

監督 エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ

キャスト

アネット・ベニング…ダイアナ・ナイアド

ジョディ・フォスター…ボニー

 

 

こんな人がいたんだね。

キューバからフロリダまで180キロ弱を泳ぎ切った人。

遠泳選手、ナイアド。

20代でそれは失敗したのに

60代で成功させた。

無謀ともいえることを身をもって経験した人。

 

夢をあきらめない。人生を諦めない。

何歳からでもチャレンジできる。

有言実行するナイアド。

言葉にするのは簡単だけど

実際、行動に移して成功できる人はどれほどいるだろう。

この人だからこそ言えた重みのある言葉でした。

 

でも、同時にその気さえあれば

誰でも実行しようと思えばできることだよね。

あと一歩踏み出せなかったり、

しり込みしてるだけ。

 

物語の中でメアリー・オリバーの詩の一説が

どうにも気になりました。

「たった一度の人生の中で、あなたは何をするつもりなの?」

そんな感じの詩。

 

なにも偉業を達成しろということではない。

自分がしたいことに素直に従えばいいだけ。

 

実際のナイアドさんも、この映画のように

周りを巻き込むような、ひとくせある人物なのかな。

「普通」というのがキライな

長所と短所が同居してる頑固者。

でもね、世に名を残す人って一風変わり者が多いし。

 

ナイアド演じたアネット・ベニング

体張った演技に脱帽しましたが

最後エンドロールの時に本人たちの姿も見れて

よけいに驚きました。

63~63歳であの腕やモモの隆々した体型!

まさかここまではベニングも真似はできなかった。

 

ジョディフォスターはいい年齢の重ね方してますね。

若かりし頃は色気やクールが前面に出てたけど

今はとても味がある女優さん。

あえて無意味な若返り術をしてないとこがいい。

魅力が増してきました。

 

 

 

 

 

 

ラバー、ストーカー、キラー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監督 サム・ホプキンソン

 

 

インタビュー形式から始まる映画か

と思ったらドキュメンタリーで

ずっとインタビューでした。

 

殺人事件にまで発展してしまいましたが

犯人は異常なほど執着心を持ってるタイプ。

 

ここまで長年かけて策を練って、演技もし、

自宅まで燃やし、自分も他人も傷つけて

一体、何を得ようとしてるのか。

 

もう彼に振り向いてもらいたいという事をこえて

異常に歪んだ愛に変わってしまってます。

愛じゃなく執着だよね。

 

生霊より怖い、取り憑き魔。

 

コイツのせいで罪をかぶせられてしまった本人や

その家族たちが気の毒でならない。

作り物のホラーサスペンス映画以上に

やってること、ぶっ飛んでます。

 

出会い系、マッチングアプリで出会った相手。

こういうサイトだけが元凶ではないけど

世の中には

得体のしれない人も混じってるってこと。

 

整備士の人が寂しいからと始めた出会いサイト。

そこからの事件。

インタビューは事件解決後や裁判で結果が出てから

されたんでしょうが

整備士さん、淡々と話すんで悲壮な顔してない。

中盤、これ以上深い事件にならないように

引っ越しまでしたというのに

またまた別の出会い系サイトに登録。

寂しい=出会い系

という図式になんだか萎える。

なぜこうも単細胞なのか。

 

まさに奇跡体験アンビリバボの

1時間くらい長くしたSPの事件のようでした。

 

 

 

 

 

 

彼方に

 

 

監督 ミサン・ハリマン

キャスト

デヴィッド・オイェロウォ…ダヨ

 

 

 

イギリスの短編映画。

短編映画賞で、いっぱい賞を受賞したようです。

18分もの。

 

ですが、私はあまり刺さらなかった。

深い喪失感や

それでも生きていかなきゃならんっていうのはわかる。

 

あ、目の前で娘と妻が、っていう内容です。

 

何が引っかかると言ったら

ウーバータクシーに転職して

夫婦とその娘という客を降ろした時から。

 

なぜ娘だけいつまでもタクシーに乗ってる?

なぜ主人公を後ろから抱きしめた?

主人公は悲しみがこみ上げてきた演技をしたけど

どう見てもお腹が痛く苦しんでるようにしか見えない。

 

感性が鈍いんですかね自分。

人の痛みに共感できないんですかね。

んーでもなぁ、とう感想。

 

けど、べた褒めされてる映画です。

 

 

空気殺人 TOXIC

空気殺人TOXIC

 

 

監督 チョ・ヨンソン

キャスト

キム・サンギョン…チョン・テフン

イ・ソンビン…ハン・ヨンジュ

ユン・ギョンホ…ソ・ウシク

 

 

本編見終わった直後、

ブルブルっと身震いしたわ。

 

これ、韓国で実際に起きた

加湿器殺菌剤事件を元に作られた映画。

現在日本でも大手製薬のサプリの成分が問題になってますよね。

同様に国が安全(?)と認めて販売してたものが

実は有害性があったという、

それに死者数の桁が2万と、とんでもない数であったこと。

もっとひどいのが

売っていけない物だと発覚した後に

隠ぺいしたこと。

映画ではその殺菌剤の主成分を替え、

違う商品名で残った在庫を一掃させようと。

 

うわ~、こんなのって

何もかも信用ならないじゃんよ!と思った。

 

そしてやっぱり政府の○○局達ら、お偉いさんは

みんなクソ。

これは日本でも同じ。

責任転嫁、とぼけた発言、罰則が軽すぎ。

もう不誠実極まりないです。

 

他国で起こった実話といえど

決して自国も油断してはいけない案件。

 

ヨコですが

国会議員多すぎ!300人で充分でしょ。

地方議員も多すぎ!市だけで90人もいらない。

最近の政治関連のニュース見てると怒りしか湧かない。

 

で、話し戻して

韓国のおなじみな名バイプレーヤーたちも

活躍してました。

名前までは知らんけども。

そんな中でソ・ウシク役の人は

最初こそ悪役でしたが、

やっぱりこの人、良い役の方が似合う。

 

でも、酒飲み被害者父ちゃんに

大金で示談しようと持ちかけた時って

すでに裏事情を知ってからじゃなかったっけ?

記憶違いならゴメン。

 

よその国にこの商品を輸入?持ち込もうとしたら

毒性強く×。

結局製造者側が悪いのか

承認した国が悪いのか。

どちらにしても杜撰。

 

なんかもうね、気の毒でならない。

何をどこまで信用していいか、わからない。

安心安全と謳っても

記載されてない添加物は山ほどあるし。

 

 

 

 

 

 

空気殺人TOXIC

夏への扉 キミのいる未来へ

夏への扉―キミのいる未来へ―

 

 

監督 三木孝浩

キャスト

山﨑賢人…宗一郎

清原果耶…璃子

夏菜…白石鈴

 

 

原作があったんだね。

海外のSF作家の人で、50年以上も前の小説。

それを日本風に三木監督がアレンジしたのか。

 

30年後の未来へ…って

「不適切にも~」の内容とえらい大違い。

完全にこっちとは切り離して見ないといけない。

 

何役でもすべてうまくこなす山﨑賢人。

いつ見ても清純でみずみずしい清原果耶。

一押しはヒューマノイドPETEの藤木直人

この役すっごい彼がハマってた。

端正な顔立ちも含めてピッタリだったし、

PETEがいて成り立っていると言っても

過言ではないぐらい彼、健闘したぜよ。

 

平行世界で時間が続く、という理論だから

未来の世界では宗一郎が2人存在するの?と

矛盾が走ったので

いろいろその矛盾を解明するために

疑問点を調べました。

こういう話は好きだけど、頭が混線して弱いのよ私。

 

それに勝手に伏線として

藤木PETEが実は猫のピートから作られたでしょ、

と余計な想像力が働いてしまい

見事に脳内混乱。

 

と、まだ完全に宗一郎が2人説×が

理解できてはいないけど

なかなかの良作でした。

 

そういえば!

山下達郎が同タイトルの曲あったよね、と思い

歌詞を見てみたら

この小説のことを歌ってんだね。

作詞は吉田美奈子さんでしたが。

この映画を観た後で、山下達郎の曲聴くと

とってもファンタジーな気持ちになりました。

 

 

 

 

 

 

夏への扉?キミのいる未来へ?