復讐するは我にあり

 

 

監督 今村昌平

キャスト

緒形拳…榎津巌

三國連太郎…榎津鎮雄

倍賞美津子…榎津加津子

 

 

 

 

 

ちょいと昔のを。

79年作。

うん、字からして角ばってて昭和を感じる。

音楽も、うん、どろけてて怖い。

 

事件は実話。

少し脚色。

上映時間は140分と長いのに、飽きさせない。

私が生まれる前の事件だ。

 

晩年の緒形さんは優しいイメージが強かったが

このころの緒形さんは「鬼畜」のイメージが強いので

得体のしれない怖い人というのがぬぐい切れなかった。

どうにも子供心には、怖い悪役の人だったのよ。

 

主人公の殺人鬼、巌。

幼いころからのシーンを流して

「父は弱い人」「父が嫌い」らしきっていうのを

見てる側に植え付けては見たものの

どうしてか、簡単に人を殺めてしまう狂人には見えず。

 

なぜこうなってしまったのかの

物足りなさがあるものの

緒形さんの演技力は半端ない。

大学教授や弁護士と偽って人をだます主人公。

実際の(西口彰は写真でしか知らんが)犯人もそれっぽさ感出てるが

緒形さんもどうしてどうして!それっぽいのです。

 

いっぱい人を殺してしまったひでえ奴ですが

実は本当に手にかけたかったのが

実の父親だったという。

あの父が巌に唾ペッ!のシーンは固まりました。

 

清川虹子が演じたばあちゃんと巌が歩いてるシーン。

彼女もその昔、人を殺したことがあるという。

本当に憎かった相手だったから

殺してスッキリしたと。

アンタは違うだろ、と巌に言ってたシーン。

私は人殺した過去がないですが、気持ちわかるー!と思います。

 

それこそ現代の「誰でも良かった」という

殺人者の気持ちは理解できません。

 

この監督さんだからこその技法がありますが

女優さんも体張って演技してます。

こういう時代でもあり、こういう作品でもあるので

おままごとのようなキレイなとこだけを切り取ったりしていません。

ドロドロ系にはドロドロした人間の恥部や黒い感情が必須です。

 

あ、人殺した後の巌もそうでした。

血で染まった手を洗い流すために

自分のオシッコをかけてるシーン。

衝撃です。

 

ラストシーンのストップモーションは如何に?

骨になっても巌は主張したかったのか?

なぜ画面止まる?

うちのテレビがおかしくなったと思ったじゃないか。

意図が…わからなかった後、笑いになりました。

 

これは私の目の錯覚ですが

三國連太郎がグリーンデイのビリージョーに見えたし、

倍賞さんのビックリした顔が

広瀬すずにも見えた。

いや、ごめんなさい。

 

うちのおかん、

昔、ミヤコ蝶々小川真由美に似てると言われてたようです。

そのお二方も出てたので、おかんを思い出しました。

 

 

 

 

 

 

 

復讐するは我にあり