監督 吉田恵輔
キャスト
森田剛…森田正一
濱田岳…岡田進
佐津川愛美…阿部ユカ
なになに、原作があったんだ。
で、漫画家さんがあの「稲中卓球部」の人?
どこでどうして、稲中からコッチ系も描けちゃうのよ。
監督の吉田さんも「純喫茶磯部」の人。
こんな
背中に寒気感じる暴力的な映画作れちゃうんだ?
ちょっとねぇ、余韻が強すぎて。
なんとなーくバイオレンスものだとは知ってたけど
まさかこんなリアルに近いような力の入れ方ができる
森田剛の演技力。
知らないでいたのよ、森田剛のそれまでの演技を。
まだこの映画の時ってジャニーズに所属してたんだよね。
ホント、彼が怖かった。
役の森田正一を通り越して森田剛が怖くなってた。
他の俳優さんもキャスティングは
パーフェクトだったのではないでしょうか。
ムロ&岳ちゃんは前半のコミカル路線はいうことなし。
学生時代、森田をいじめてた河島役の生徒もかなりキメテル。
あれぇ?こういう系統の映画だったっけ?
バイオレンスだかサスペンスものじゃなかったっけ?
でもこの2人プラス愛美ちゃんが可愛いから別にいいや、
という思いで見ていたら
かなり時間が経ってからのオープニングタイトル。
この折り返し地点で
主役が交替。ダークサイドへ引き継がれて。
場面展開した映画そのものの色と風が突如として冷たくなったし。
この発想の転換は非常に面白いというか、
初めて見る構成だったのでゾクゾクしました。
岡田&ユカちゃんのSEXシーンと
森田が和草の彼女を殺して死なすシーンのシンクロ。
幸福の絶頂へと昇り詰め果てるユカ。
絶望と恐怖と痛みで死へと果てていった和草の彼女。
この対比は見ている側にとっては
どっちも気持ち悪いものでしかなかった。
でも、こういうシンクロシーンも初めてでした。
不快すぎて称賛するわ。
こういう殺人描写で褒めるのもなんなんですが
これなら韓国には負けてないかもしれない。
吉田監督はこういう現場に立ち会ったことがあるのですか?
と聞きたくなるほど
人の殺し方の演技指導が上手いと思った。
例えば、警官を殺すときの森田の覆いかぶさり方。
これ見ててあまりにもリアルすぎて
後ろから撮っているカメラが、自分が見ているような感覚で
恐怖を感じた。
まさか年末にこんなすっげえ映画を観れたとは。
ラストシーンの
まだ人生が壊れる前の森田のセリフ
「お母さーん、麦茶持ってきてー」
を見て、苦しすぎて切なくて息が止まりそうになった。