30年後の同窓会

 

 

 

監督 リチャード・リンクレイター

キャスト

スティーヴ・カレル…ドク

ブライアン・クランストン…サル

ローレンス・フィッシュバーン…ミューラー

 

 

かなり良い映画です。

ドクの息子が戦死し、軍葬するために一緒に来てほしいと

昔の海兵部隊だった戦友に会いにきたとこから始まります。

あちこち行くことになるロードムービーです。

 

素晴らしきキャスティング!

主人公の3人ももちろんなんですが、

脇役陣のワシントンやウィリッツ大佐、

つい先日お亡くなりになった

ミセスハイタワー役のシシリーさんまでもが

実にピッタリな役どころです。

 

1か月前に妻が亡くなり、

2日前に息子が戦死したと知らされたドク。

もうずっとドクは元気なくって。

皆がしゃべっていても一人うなだれているドク。

息子の棺を目の前にして、

変わり果てた姿を見てもっと気落ちしたドク。

そりゃそうでしょう。

 

旅の途中、電車の貨物車両に息子の棺を運び

その間3人とワシントンでの下ネタ話で

ドクがやっと笑い始めました。

見ている私まであの男同士の下ネタ話、楽しかったです。

 

ミューラーは神父になったので

時間があれば聖書を読み、

人と話すときも「神様」がいっぱい出てきます。

サルがいらぬことを言ったとき

聖職者だということを忘れ、汚い言葉が出てきたりします。

昔のことを嫌っており、一見ドライなタイプに見えますが

何かあった時にゃ一肌脱いじゃう、実は人情味ある奴。

 

サルはもう人間として私は理想に近いタイプです。

ああいう人間になってみたい。

自由奔放だし、行動力あるし、機転きいてるし。

これだけ好きに生きてきたら悔いはないんだろうな。

 

よくしゃべる映画です。

でも無駄話ではない。うるさくもない。

内容もそうなんだけど、感情やテンポ、リアクションなど

いい具合に気持ちよくこっちも引き込まれていきます。

電車でのシーンや、携帯ショップでの会話なんて

子供おじさんしちゃってるとこがゲラゲラなツボです。

 

ドクの息子の棺が家に運び込まれるまでの映画ですが、

この3人+ワシントンをいつまでも見ていきたいと

思ったほどです。

 

とうとう最後に息子のお葬式。

一転、キリッとピリッと空気が変わります。

とても厳かで、折りたたまれる国旗の場面は

緊張まで走りました。

 

タイトルがなんか合ってない風なんですが

ラストのラストで同窓会っていうよりも

彼らの友情や絆をひしひし感じました。

胸がズシーンときましたぜ。

 

 

 

 

 

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