茜色に焼かれる

茜色に焼かれる

 

 

監督 石井裕也

キャスト

尾野真千子田中良子

和田庵…純平

片山友希…ケイ

 

 

最近では母親役が多くなってきた尾野真千子

この人、いろんな役が出来るのだが

結構体を張ってる役も不自然なくハマってるので

(例えば殺人鬼やガラッパチ系)わりと好きな女優さんです。

 

この映画での母役は、どうなんだろう。

なぜ良子は人からなめられたり、蔑まれてる時に

怒らず笑うんだろう。

怒りを通り越して笑ってしまう時がある私だったりするが

たぶんその笑いとは違うと思うんだ。

私のは

はらわたが煮えくり返りすぎて

ヘソがむずがゆくなるんだよww

 

あきらめの境地?

社会ってそんなものだというやるせなさ?

あることでは意固地になるが、

思い切った時には感情的にならず

「まあ、頑張りましょう」と相手の肩をポンポン。

その言い方は決して相手への励みにも聞こえない

感情が読み取れない口癖のような「まあ頑張りましょう」。

 

自分の中で譲れないプライドのようなルールが彼女にはある。

ルール。

家族間でのルールは作ってもいいだろうし、

自分に厳しい人はそれを貫いている。

そこで責任を取るのも、最終的にケツ拭くのも自分が決めたルールなので

人はとやかく言う事ではない。

だが自分に厳しい故、自分で自分の首を絞めすぎて

緩ますことができないため苦しい思いをしてる良子。

時には感情を爆発させたり、ガス抜きしたり

うまく発散できる相手が欲しかっただろうね。

 

ケイちゃんが唯一、その存在だったのに

彼女の身の上も大変そうで…。

ケイちゃん、いい子だったな。

 

良子が怒り心頭で感情をあらわにして

殺しちまえ!と思ったのが中学の同級生だった熊木君。

たいしてカッコいい奴じゃなかったが。

でも、あれってホントのことを告白する順序が違っただけで

良子もよくないと思うよ?

私だったらあのタイミングでホントのことは言わない。

氷のように自分の感情を押し込めて生きてきたのなら

死んだダンナのことを今でも好きならば

そんなに簡単に寝ないし、その前にそこまで人を好きにならない。

遊びならさっさと寝ちゃっても構わないが、

本気なら子供を一番愛してる、そして昔こんな仕事やってた、

それを全て伝えたうえで相手が承知したうえで

お付き合いを始める。

そうしないと彼女のガチガチの心は溶けていかないような気がする。

先に寝ちゃったもんだから傷つきもしたんだよ。

 

世の中の酸いも甘いも経験してる

風俗店の店長がオタスケマンで登場してくれてよかったね。

永瀬君、かっちょいいとこ全部かっさらっていった感じ。

ああ、忘れてた!

息子君が一番かっこいい!

この子は立派だ!

応援したくなる。

 

見えない鎧を着てるような良子の生き方が

なぜか自分と重なって見えて

とても揺さぶられる想いで見てました。

一枚一枚と薄皮を剥いでいくような

出会いがあればいいし、

安堵できる人生の居場所を作ってほしい。

 

気になったのが

死んだダンナの愛人の幸子さんって

その後どうなったんでしょう。

ダンナの友人とこに何しに来たんだか知らんけど。

 

 

 

 

 

 

 

茜色に焼かれる