監督 西川美和
キャスト
役所広司…三上正夫
仲野太賀…津乃田
六角精児…スーパーの店長
実話なんだね。
知らなかった。
半分だけ性格や生い立ち、故郷などうちの父に似てるので
重ねて見てしまいました。
出所後の生活。
こんなにも親身にしてくれる人がいたなんて
幸せじゃあないですか。
特にスーパーの店長なんて
敢えて厳しい言葉まで発して
三上さんの人生を心配してる。
出来すぎるくらいな人だ。
実話として見れば（実話なんだけれど）
最期も最期まで幸せな亡くなり方だと思いますよ。
病気で長年寝床で苦しんだわけでもなく、
生活保護をもらってたとしても
パートで職に就いて食べるものにも困らなかったし。
本気で心配してくれる人もいれば
亡くなった時も涙して悲しんでくれる人もいた。
人が集まって、ケーキまで用意してくれて祝ってくれた。
独りぼっちの人が今どれだけいるって…。
一人だけで闘病生活をしてる人がいたり
誰からもおめでとうを言ってもらえなかったり
いざという時に駆け付けてくれる友さえいない。
いっぱいいると思うんですよ。
比べたら、三上さんは幸せ者ですよ。
自分の思い通りだけでは世の中渡れない。
中にはグッと我慢することもある。
理不尽すぎて怒りがこみあげてくるときもある。
確かに塀の中よりは空は広いけれど
だからといって「生きやすい」かと問われれば
そうでもないかもしれないよ。
正直に生きるには、あまりにもドライなシャバ世界なんで
どこかで折り合いをつけて生きていかないと
ムショより孤立するかもしれない。
と思う。
ただ、やっぱり空は広い。
どこまでも。
今回こそは社会復帰して
「普通の生活」を取り戻そうと
奮闘した三上と、周囲の善人たち。
彼にとってすばらしき世界と思えて
人生に幕を閉じたことだけは救いですね。
普通に生活って、なかなか難しいですけどね。
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