異端の鳥

異端の鳥(字幕版)

 

 

監督 ヴァーツラフ・マルホウル

キャスト

ペトルコトラール…少年

バリー・ペッパー…ミートカ

ハーヴェイ・カイテル…司祭

 

 

アマプラでこのジャケットを見て

ずっと気になってたんだよね。

少年が土の中に埋められて、

目の前にカラスがいるっていう。

これから何かが起きそうな感じだし。

で、やっと見てみた。

 

ユダヤの少年が疎開したとこから始まり、

そこから出会う人出会う人み~んなが

クソ野郎みたいな人たちばっかで

迫害を受けながら生きていく話。

 

最初の10分で「むごい!」と感じた。

ヒトコワすぎ。

ある意味ホラー。

動物とか殺すのやめてくれ、って思う。

でも、その10分で終わりではなく

次々にあらたな酷さが襲ってくるんだよ。

 

少年が少年であった最初の顔から

旅して、クソ野郎たちに出会って苛酷な目に遭い、

どんどん無表情になっていき

しまいには廃人のような人間になっていくサマが

可哀想と恐怖が混在して

見ている私も気分が落ち込んでいく。

なんでこの子の行く先々には

クソ野郎たちしかいないのだろうと。

 

絶望の中で生きていると

きっとこの少年のようになっていってしまうよな

と思ったりもする。

希望といえば「生きていく」ことしか望みはないんだろうなと。

いや、希望すらない時代だったよね

善もない。

動物はおろか、人を人とも思わない。

 

ホロコーストで難を逃れた少年だけど

戦争云々は描かれていない。

ただただ、おかしな奴らに出会ってひどい目に遭う

バイオレンスムービーだ。

 

おぞましい

すさまじい

いたましい

地獄めぐりをした映画でした。

 

バスの窓ガラスに名前を書いた最後のシーンで

やっと緊張の糸がほぐれたわ。

 

 

 

 

異端の鳥(字幕版)