イントゥ・ザ・ワイルド

観終わった後、しばし放心状態。
何もする気が起きなかった。
周りの音を聞きたくないくらい。
ちょっとしたショックであった。

映画としては最高であった。
実話をもとにここまでのめり込めるロードムービー
これだけの長時間でも見飽きることもなく
「それからどうなる」の興味を駆り立てた。


荒野に行って彼は何をしたかったのか。
旅の目的は何だったのか。
行っただけで達成したわけじゃなし。

自分探し?
お金(紙幣)を燃やしたのに、旅の資金を稼いでる。
文明を捨てながら文明に頼ってる。
人との出会いよりもいいものがあると信じ、
結果、人と共有することでより幸福が得られることを知る。
2年かけて旅をし、100日余りの孤独で答えを見つける。
おいおい…。

見方を変えたらとても間抜けだ。
ラストの野草も…撮り方間違えりゃ間抜けだ。
それをショーン・ペンは大作に仕上げてくれた。

主人公の行動は大手を振って賛同はしない。
もちろん価値観の違いはあるので共感する人もいるだろう。
あれだけ頭がいい人だったのなら
もっと小さくても経験を積み、自然の脅威を学べる機会もあったろう。
若さゆえの大胆な行動だったのか、そこが残念でならない。

でも決して彼の生き方や行動は否定はしない。
思うだけで行動に移さない人は星の数ほどいる。
それを彼は貫いたのだから。
立派だと思う。ロマンだと思う。

観終わった後、自分の魂が動揺してるのと同時に
彼は間抜けで、いろんなことがタイミング悪すぎだわ
という想いが交差してなんとも言えない気持ちになった。
突き刺さるぐらい忘れない映画のひとつとなるだろう。