まだ1年

昨夜思った。
ちょうど去年の今、
どれだけの人が不安と悲しみの夜を過ごしただろう。

建物と命があっという間に流された海沿いの場所。
おさまらない余震。
数日後には原発問題が起こり、輪をかけて被害が広がる。

東北のみではなく国中がパニックになった。

あの日から1年。
とても短く感じられた1年だ。

首都圏に住む私でさえも
あの時の恐怖をまだ体が覚えてる。

昨日は皆、どんな思いで過ごしていたのだろう。
家族の絆というものを再確認したのだろうか。
家族と集まり、絆を深めたのか。

自分は一日中仕事だった。
テレビは震災から1年の特番、市民マラソンもあったので
絶対に店は混むだろうと。

案の定ものすごく人がやってきて
温泉内はごった返しのイモ洗い状態。
食事処は満卓。

とても疲れた。
土曜日と合わせてどれだけ働きづめだか。
疲れててひねくれた考えが湧いてきた。

オマエラ、気持ちよく風呂に入って一家団欒ゴハン食べて
のんびりと幸せそうにしやがって。
喉元過ぎればなんとかってヤツですか?

何時間もコマネズミのように動き回り、集中力も続かず
声も枯れ、油のにおいはつき、めまいすら覚えた昨日。
そんなことを心に思ってしまいましたさ。

温泉施設というのは一種の娯楽だ。
だからってイベントがあったかのようにやってくる人波。
風化しちゃってるのかな、という思いもあった。

被災地ではいまだ仮設住宅で寒い思いをしてる人、
失業中で金銭面で困ってる人、
瓦礫処理、原発等とこれからも問題が山積みされてる。

亡くなった人の1周忌、復興1年目でもあるが
多大なマイナスから元に戻すまで一体どれくらいの期間が必要か。

あの日…たくさんの感情を国民が生み出した日。
決して忘れちゃならない。
風化させちゃならない。

あの日からたったまだ1年しか過ぎていない。