ホテル・ムンバイ

 

 

監督 アンソニー・マラス

キャスト

デヴ・パテル…アルジュン

アーミー・ハマー…デヴィッド

アヌバム・カー…料理長

 

 

ずーっと、ずーっと最後まで緊張!!

これは完全なるスリラーだわ!

人間、こわっ!

もう半端な気持ちで見てはいけない映画。

覚悟した方がいい。

こんなにも緊張しながら、息殺しながら、

自分がホテルの客にでもなったかのような

恐怖はなかなか久々。

 

実話をもとに…なんで、

どこまでが実話で、どんだけの証言の中で

というのもあるんでしょうが

もう、こういう風に作った制作がすごいわ。

主人公のパテルモ意見してるようなので

制作陣の名前にも加わってるしね。

 

この映画の中でテロリスト少年10人。

イスラム過激派の奴に信仰洗脳され、

たぶん家族に多額の金を与える代わりに

オマエラは神を信じることにによって楽園に行けるんだ、と

訓練と偽りテロ行為に至ったんだろう。

 

貧しさや無知による少年を洗脳し、

その少年たちも躊躇することなく、人を撃つ。

どれだけの人を殺傷し、許してくれる神があろうか。

決して許されるべき行為ではないが、

彼等もまたある意味、被害者なんだろう。

首謀者のいいオモチャ道具にされてしまっただけだから。

 

主人公のホテル従業員アルジュンは知ってるが

(スラムドッグ~の人)

アーミーハマーなど金持ち役が数人。

なんだかんだクセありそうな人物もいるが、こいつらは助かるだろうな

と思ってはいたが容赦はしなかった。

 

見ていて、怖すぎて

大泣きもしないし、溢れることもなかったが

ずっとツツーと垂れてた。

恐怖の涙垂れ流しだよ。

臨場感ありすぎだよ。

 

首謀者は捕まったらしいが、ようわからん。

テロの奴らが多すぎて本当なのか?

映画にして、奴らがウホウホしてたらたまらないよ!

人間が、やっぱり一番怖いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホテル・ムンバイ(字幕版)

ファーストラブ

 

 

監督 堤幸彦

キャスト

北川景子…真壁由紀

中村倫也庵野迦葉

芳根京子…聖山環菜

 

 

とっ散らかった話でした。

父親殺しの犯罪サスペンスを主軸と思ってたら

主人公の過去のロマンスとかも出てくるわ、

どっちやねん!

 

後で知ったけど

この話、直木賞受賞した小説が原作だって?

えー、本の中身と映画ってじゃあ違ってるよね?

こんなん終わらせ方、無理があるでしょう。

 

カンナが逮捕され、弁護士迦葉はカンナをくせ者だという。

父親を殺した動機を、カンナ自身が誰かに見つけてくれという。

面会室で身を乗り出して、大声で暴れたりもしてる。

闇抱えてるのなら、それも納得するが

後半からどんどん変わってきてるよね。

 

たぶん一番クセ強そうな窪塚君が

一番誰よりも優しい役を演じてたのがツボでした。

あんな抑えた演技。上手いわー。

聖人君子みたいな役(笑)

 

由紀やカンナと同じ境遇でないから

理解しにくい箇所があったんですが、

父親が少女買春していたり、

デッサンモデルで多数の男性から見られることでの

父親嫌悪感っていうの?

あれがわかりませんでした。

目が怖い…って二人とも言ってましたが、

汚らわしいという感情は持つとは思いますが

じっと見られる、という意味での目が怖いだったのかな。

父親からの性暴力でもないしなあ。

うーん、わかんない。

 

カンナ母も自傷癖があったかのようなシーン。

だから、どうして自分の娘の行為をわかってあげられないのか。

娘カンナよりも、母の方が闇が深く感じますし、

この母のストーリーもできちゃいそうな。

木村佳乃はこういう役がはまってきましたね。

 

話はともかくとして

俳優さんたちの演技力は高いと思います。

あの北川さんもグンとうまくなったと思うのです。

嗚咽のシーンなんてリアルっぽさがすごく出てたし。

大学生時代のカツラは変でしたが。

 

心の傷か。

みんな程度の差こそあれ、思い出したくない過去はあると思う。

この映画見て、私も封印してた記憶が少し蘇ってしまった。

発散できるものは外に吐き出して、

言えないものは死ぬまで誰にも話さない。

 

 

 

 

 

 

 

 

ファーストラヴ

私をくいとめて

 

 

監督 大九明子

キャスト

のん…黒田みつ子

林遣都…多田君

臼田あさ美…ノゾミさん

 

 

なんだか不思議な世界観。

一歩間違えると、みつ子が狂人に見える(笑)

頭の中のAはみつ子と同化してるんだ。

 

Aが話すたびにずっと思ってた。

この声、聞いたことある!って。

特徴あるもんね。

絶対そうだと思ってた。

が、形として現れたAは前野さん。

あれ~?勘違いだったのかなあ?

こんな特徴ある声してたっけ、前野さん。

エンドロールで「中村倫也」が出てきたんで

なあんだ、やっぱり。

人が形となって現れると、声の特徴がかき消されて

視覚効果が強くなるもんなんですね。

 

視覚効果で思ったんだけど

カーターを演じてた役の人。

かっこいい?でもクセ満載な役の人。

パッと見、阿部寛のモノマネやってる人かと…。

よくよく見たら別人さんでしたが、これも視覚効果(笑)

 

原作が小説ってことで、

それを映画にするのもまた視覚的なこと。

小説は読んでないのですが、

みつ子がローマに行く機内の中で

乱気流だかで飛行機ユレユレでみつ子パニック!

その時にAが「く~、と声出せ!」と言って

出てきた「く~」が風船の形となって現れた。

「く」「ち」「び」「る」も形になった。

小説だとどういう表現してるのか気になりました。

 

のんちゃんをCM以外で久々見た感があり、

なんか嬉しい。

みつ子役でいろんな感情を出しまくり、

喋りまくり、魅力をドバドバ出してくれました。

 

「おひとりさま」なる一人行動を楽しめる女性。

いいじゃないですか。

私の知り合い、普通に一人ディズニー行ってたし。

多田くんと同じ部屋で一泊のシーン。

緊張するし、気遣うし…最初はね。

うーん、でも一人の方が気が楽ってのわかる。

これは誰かと一緒に暮らしてるともっとよくわかる。

一人の時間は大事、大切。

けれど楽しいときは2倍になる。

人との付き合い、それがたとえ夫婦であっても

距離感大切だよなって思います。

 

ここのホテル廊下での一人セリフ&感情は見事でした。

 

Aは結局「ざっぱーん」して消えたのかな。

 

 

 

 

 

 

私をくいとめて

千羽づる 

 

 

監督 神山征二郎

キャスト

倍賞千恵子…佐々木重子

広瀬珠実…佐々木禎子

石野真子大関京子

 

 

これは広島の「原爆の子の像」のモデルになった

12歳で亡くなった佐々木禎子さんのお話。

2歳の時に被爆し、10年後にピカの原爆症が発症するんだ。

 

89年作で見たのはニューマスター版。

戦争で兵士同士の戦いならいざ知らず、

罪もないなんら関係ない、ただ広島に住んでた小さな子が

苦しんで不治の病で死んでいく。

しかも原爆投下のすぐでなく、10年後ってねえ。

 

これ見て思った。

私が生まれた世代も、戦争から少し年月が経ってる。

映画でしか知らない。

日本の戦争映画で代表作はたくさんあるが、

特に広島長崎の原爆についての戦争映画として

やはり徐々に製作は少なくなってはきている。

 

これから10年先、20年先を考えると

類の映画は作られるのかもしれないが

リアリティがなくなってくるんじゃないかと。

存命している人もいなくなっってきてるので

語り部の継ぎ手しかいないだろうし。

 

戦争映画を数多く撮影してきた映画監督も

いなくなってくるしね。

 

とすると、人から語られた話と、写真と、資料と

今までの映画などの部分からでしか

原爆の酷さがわからなくなってくる。

 

決して関係なくはない歴史だし、

目を背けてはいけない史実だし、

こんな悲しい出来事を二度と繰り返さないためにも

ウエットに伝えていかなきゃいけない。

 

この映画を見てる時は平常心で見てた。

が、何日か経っても禎子ちゃんの亡くなった姿が頭に残る。

禎子ちゃんは被ばくによる白血病に罹ってしまったが

白血病だけでなく、がん死も多かっただろう。

 

禎子ちゃんが亡くなった時、

母の重子は泣いてなかった。

危篤を知り駆け付けた同級生に禎子ちゃんが折った鶴を

あげていた。

我が子が苦しみ、一緒に病に戦い、

禎子ちゃんが逝ってしまった直後は

きっと一瞬だけ放心だったろう。

子供を亡くした辛さ、悲しみは

もう少し後から押し寄せてくるんだろう。

 

私の義兄が事故で亡くなった直後、

義兄の母はやはり泣いてなかった。

冷静だった。

私は幸いにも、その経験はないが、

自分の命より大切な子が亡くなったら

悲しむ前に違う感情が襲ってくるんだろう。

 

その後に悲しみの感情は来るだろうが

誰よりも癒える気持ちは遅いのだろう。

 

禎子ちゃん12歳。

被ばくしてなければ、今も生きてたかもしれない。

楽しい人生を送れたであろう。

原爆、やはり許せない。

 

 

 

 

千羽づる(ニューマスター版)

アナベル 死霊博物館

 

 

監督 ゲーリードーベルマン

キャスト

マッケナ・グレイス…ジュディ

マディソン・アイズマン…メアリー

ケイティ・サリフ…ダニエラ

 

 

彼様と見る時間がとれたのでまたまたホラー。

ホラーが続く。

 

アナベルシリーズの3作目。

ジェームズ・ワンは忙しいのか、他の人にやらせたいのか

原案や制作は彼だが監督やってないのよね。

 

ウォーレン夫妻が出るんだったら、まあいいけど。

と思ったら夫妻が登場したのは最初と最後だけ。

あとは娘とシッター&友人の女3人トリオの出番でした。

 

死霊博物館というだけあって

いわくつきのやばいモノを保管してある

ウォーレン家の地下にある保管庫の悪霊たちが

いっぱいぶちかましてくれちゃってました。

博物館というより、お化け屋敷みたいだ。

 

死霊館はじめ、この関連シリーズは

ホラーでオカルトだってのに死人は出ない。

そのぶん、じっとりゾワゾワが多い。

なのでグロくないので見方を変えれば安心映画。

 

ジェームズ・ワンんを基本にしたら

完ぺきとは言い難いけど、よく練られてる。

ストーリーあってないようなもののホラーが多い中、

起承転結はちゃんとあるし、

保管庫のアナベル以外の各々霊の見せ場もしっかりある。

時間差テレビ等、あーこういう風に演出するのね、

と唸らせてくれたシーンもあり。

 

ジュディも心霊研究家の娘とあって

しかるべき時はキッチリと十字架と祈りで

撃退しようと頑張ってたし

あんな小さくてか弱い女の子なのに頼もしく見えた。

 

肝心のアナベルはボス的存在で

移動はチラチラしてるが、大きい活躍はなし。

花嫁や鎧、魔犬等の動ける霊たちが体張って驚かせてくれてた。

サプライズなのか、テレビに本当のアナベル人形(たぶんクリソツ)

が映ってたね。

 

女の子3人だから、てっきり最後の方で

ウォーレン夫妻が帰ってきて助けてくれるだろうと

予想してたのに大ハズレでした。

他レビューでけちょんけちょんな感想が多いですが

そうでもなかったよ?と少し反撃したい(笑)。

 

ところで19年に

ウォーレン奥様がお亡くなりになってたんですね。

お悔やみ申し上げます。

 

もうジェームズワンはこっち系の監督やらないかな。

アクアマン大ヒットしちゃったし、2もそうだし。

 

 

 

 

 

 

アナベル 死霊博物館(吹替版)

ヴィジット

 

 

監督 M・ナイト・シャマラン

キャスト

リビア・デヨング…ベッカ

エド・オクセンボールド…タイラー

キャスリン・ハーン…ママ

 

 

なんとなーく見たような記憶があるような。

途中から、いやかなり早い段階で

実はこうだよね、というオチもわかってしまったし。

後で調べたら5年前に見てたようです。

これだけ記憶が薄いってのも

シャマラン監督の映画にしたら珍しい。

 

床下の鬼ごっこで鮮明に思い出した。

そうそう、あのカメラの撮り方は普通に怖いわ。

そして一瞬の恐怖の後には笑える画。

バランスが絶妙ですね。

緊張の高ぶりと緩みが、交互に襲ってきます。

うまいです、監督。

 

前も似たようなこと書きましたが

内容的にこの感想、しかたないんですけど

「きったない!!」です。

婆さん上から、爺さん下から出しまくります。

 

映画の中で

婆さんの奇怪な行動「日没症候群」。

夕方から夜になると徘徊や~っていう説明は

本当にあるようです。

知らなかった。

 

昔々、まだ認知症というのがハッキリ解明されてない時代、

こういう婆さんのような行動を見てしまったら

それが病気だとは知らないので

何かとり憑かれたかと勘違いしてしまうかもしれない。

 

徘徊もそうだけど、全裸になったり、

叫んだり、獣のように動き回るのは

オバケよりも怖いものがあります。

でも

認知症により、こういう行動をとる患者さんもいるってこと

勉強になりました。

正直、この目でそれを見ちゃったら

おののくほど怖いと思うんですが。

受け止めよう。

 

ママに事情を話し、全てがわかってからの

姉弟の行動ですが

やっぱりいくら若いとはいえ、無茶できなかったのかなあ。

若い故、力はあるんだから

姉弟で力合わせて、とっちめることも出来たはず。

 

潔癖弟が恐怖で銅像になってしまってから

オムツで銅像の呪縛が解け、タッグしまくるとこまで

力を温存してたんでしょう。

よく頑張った、弟よ。

 

っていうか、おかしいと気づいた時点で

もう泊まらないで帰るよな、普通。

 

 

 

 

 

ヴィジット (字幕版)

モンスター上司

 

 

監督 セス・ゴードン

キャスト

ジェイソン・べイトマン…ニック

チャーリー・デイ…デール

ジェイソン・サダイキス…カート

 

 

アメリカンコメディだなー。

思いっきり激しく演じたコリンファレル。

トイレから出てきた最初の彼を見て噴き出した。

食べ物が口に入ってなくて良かった。

絶対徹底した役で楽しんでるよね。

 

ジェニファーもこの役をするにあたって

快く了承したんだろう…か?

あんなセリフやあんな単語やあんなポーズとっちゃうの?

男性にしたらそれはそれは嬉しすぎかもしれないが。

日本人ならこの役やる女優さん、少ないかも。

これが男性上司が職場でセクハラだったら

コメディとして笑えないし、訴訟映画になるわ。

 

ジェイミーフォックスも小物ぶりもいい。

MF=マザーファッカーのところもいい。

でも彼はいろんな役ができますからね。

 

と考えれば、主役3人よりも

上司脇役の大物がこういう役しちゃうのね、

というところが一番の見どころなのかも。

 

コメディと言ってもブラックに近い。

ちょっと下ネタが多いんで、大人のみ楽しめる。

それぞれクセ強く、わかりやすいのは良い点。

 

ケヴィンスペイシーのパワハラ上司だけは

日本のパターンにも通じるのかもしれない。

が、陰湿と言ってもぶっ飛んだ流れなんで

カラッとしたやりすぎ感がアメリカ的。

取締役兼営業本部長を兼任してもよいが、

壁壊すバカはさすがにしないだろう。

オマエの会社か?と。

 

ハチャメチャしてても

笑えるところはコリンファレルのコントヅラだけなんで

もしかすると様々なハラスメントに

嫌悪感持つ人もいるかもしれないよ。

 

 

 

 

 

 

 

モンスター上司 (字幕版)