閉鎖病棟  それぞれの朝

 

 

監督 平山秀幸

キャスト

笑福亭鶴瓶…梶木秀丸

綾野剛…塚本中弥

小松菜奈…島崎由紀

 

 

閉鎖病棟」と「仮面病棟」を間違えての鑑賞。

見たいジャンルが違ってたので

気持ちの盛り上げに戸惑いつつも

最初の鶴瓶さんの死刑執行シーンに食いついた。

ずいぶんリアルじゃないなあ、と思っても

このへんは出だしなんでサラリと流してもいいっぽい。

 

他の人の感想を見てると

暗い、重いという言葉が飛び交ってましたが

私は楽しそうとまでは言わないけど

とある施設の日常のあれこれだ、と重すぎず見てた。

偏見は全くなかった。

 

あ、麻薬常習の重宗という凶暴な人を除いてね。

アイツはおかしいでしょ。

なんで問題起こしてばっかなのに誰もついてないんだ?

周りに迷惑かけてばかりなのに

独りで過ごさせる時間を与えてるのはちょっと…。

他人を傷つけてしまうであろう患者は

一人で行動させてはいけないと思う。

 

通院も入院もしたことないので

詳しい様子は何もわからないのですが

チュウさんが任意退院するという流れで

「いつでも戻ってきていいのよ」と言われる。

?出入り自由なの?

 

中盤、チュウさんが由紀ちゃんにかけた言葉。

「問題を抱えてない人なんていない」。

これは何も病院に入ってる人だけじゃなく、

普通に暮らしている人にも当てはまる。

踏み込んで聞いてはいけない部分もある。

その事情はわからないけれども

わかったフリもできないけれども

一部の局面だけで人を見てはいけないということを。

 

後半、いろんなことが起きて

秀丸さんが生きる気力をなくしかけてる中での公判。

チュウさんたちは何もできない。

病院の人達も何もできない。

それでもね、

それでも秀丸さんには生きていてほしい、

秀丸さんのおかげでどれほど救われたか。

言い換えれば

秀丸さんは生きているだけで、充分人の役に立ってるわけです。

たとえ何もしてなくても。

 

たまたま舞台が精神病院であっただけの話で

社会という大きなグループの中でも同じこと。

ですが、病院の中なので、より人間同士が向き合えるし

心の密も深まったのでしょう。

 

鶴瓶さん、やっぱ上手いね。

 

 

 

 

 

 

閉鎖病棟─それぞれの朝─