精神

精神

 

 

監督 想田和弘

 

 

ドキュメンタリー。

「こらーる岡山」というクリニックの

医者、スタッフ、患者を観察したドキュ映画。

 

観た感想として

自傷行為をする人など重度の患者は別として

日常生活をそれなりに薬で抑えて過ごせる患者は

一応「患者」と付くが、

「患者」と名のつかない自分と大差ないよねと思った。

 

ただ私はこの病気に罹ったことがないので

彼らの苦しみがわかりかねず申し訳ないが

病名こそついてないけど、

世の中には「おかしな健常者」がウヨウヨいるってことはわかる。

 

おかしな健常者って言い方はおかしいか。

わざと騒音を繰り返す人、

沸点が低くすぐにキレまくる人、

挨拶しても無視する人、

いつも誰かの陰口悪口を言う人、

周りからしたら不快だし迷惑なんだよね。

 

大差ないと言ったが

ちょっとの差で自分自身も紙一重なだけで

病気になってしまう可能性もある。

これは誰しも。

芸術家や小説家にも多かったりするが

自己を追求していくあまり

ある一定基準を超えてしまうのではないか。

 

60歳の疾患40年歴のオジサンの言葉で

カーテンと言う表現を用いて話してくれてた。

カーテンの向こう側とこっち側。

みんな完璧な人間などいないし、垣根を作ってはいけない。

 

それに「はい、カット!」男性。

話し方は至って明るく

笑い声もこっちまで笑ってしまうくらい陽気な方だが

別の面での詩的な表現力は半端ない。

 

身体障碍者とは違い、パッと見た感じでは

精神に疾患を持ってる方たちはわかりづらい。

それこそさっき私が言った

おかしな健常者扱いにされてしまう時もある。

なかなかツライ病気だなと心から思う。

 

この映画の医師は

こうこうこうだから!と断定した意見で治療することなく

患者の話をしっかり聞いたうえで、どうしたい?と

時には委ねたり寄り添ったりしながら事を進めていく。

うちの近くの心療内科

3分治療ですぐに薬を処方して終わってしまう、らしい。

うーん大違いだ。

 

観察ドキュなので終わり方もあれ?って感じであっけないが

彼らと私自身、なんら違いなんてないよねと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

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