生きる LIVING

生きる LIVING

 

 

監督 オリヴァー・ハーマナス

キャスト

ビル・ナイ…ウィリアムズ

エイミー・ルー・ウッド…ハリス

アレックス・シャープ…ウェイクリング

 

 

日本映画の名作「生きる」を

かなり忠実にリメイクした作品。

まさかな、と思ってたけどやってのけちゃいましたね。

 

黒澤明版も昔見てて。

あれ、モノクロでしょ。こっちはカラー。

モノクロだとどこか侘しさというか

人生の終末期に近づいていってる慎ましさがあって。

反対にこっちはビル・ナイがダンディなせいもあってなのか

スーツに帽子というスタイルが見るからに洗練されてる。

いや、悪い言い方ではないよ。

 

そしてこっちではハリス嬢がウィリアムズに

ゾンビというあだ名もつけてる。

これはいただける。

ウィリアムズはゾンビには見えなかったが

日本版の志村喬のブランコアップ顔は

まさに生気を失くしたゾンビのような小汚さもあったので

上手く活かしてるなと思った。

 

製作国がイギリスってのも良かったんだろう。

乾いた風吹くピーカンな国では

「生きる」の映画は共感しづらいかもしれない。

 

話それますが

先日ネットニュースで死に方それぞれの記事がありました。

ピンピンコロリは理想の死に方1位だそうですが

ある日突然寿命が尽きるのは果たして本当によいものか、と。

ネジ式ロボットみたく

急に心臓が止まるわけではない、だそう。

ガン死はある程度の余命がわかるので

それまでに人に知られたくない身辺整理もし、

会いたい人に会い、お別れもちゃんとできる。

まあ預貯金のことや遺言なんかもそうか。

高齢になると

ガンはゆっくり進むので共存しながら

長く付き合っていける。

まさに、うちの父がそうだったのですが

それまで多少の不調はあっても自力で生活をし

亡くなる2週間前から具合が悪くなっていきました。

亡くなる前日には遠くにいる

父の妹(私の叔母)とスマホのLINEビデオ通話で顔見せあうことも。

遠いし、年も取ってるから葬儀に叔母さんは来れなかったので

生きてるうちにビデオ通話で対面できたことは

本当に良かったと思ってます。

ピンピンコロリとゆったり余命を待つのと

どちらがいいのかは…わかりませんが。

 

ぜひ日本の「生きる」も見てほしい。

若い時に観た感覚と

人生折り返しをとうに過ぎて観た感想は

全然違うと思うので

オリジナルをもう一度見ようと思います。

 

そして、このイギリス版「生きる」。

リスペクトからのリメイクを

ありがとうで称えたいです。

 

 

 

 

 

 

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