きっと、いい日が待っている

 

 

監督 イェスパ・W・ネルスン

キャスト

エリック

エルマー

ラース・ミケルセン…校長

 

 

筋肉が固まっちゃうような良質な映画でした。

良質というのかな。

実話です。

デンマークの映画なんで、あまり広まってないようですが

少年のまっすぐな勇気と希望と夢に胸がつまります。

 

養護施設での

校長はじめ先生たちが

ねじ曲がった教育方針で

児童たちに壮絶な体罰や暴力を行ってる話。

 

50年前と言えど

現在も隠れたところで

こういうひどい仕打ちをするような

施設があったりする。

見てるのがつらくて辛くて。

 

絶対服従

食事中にはしゃべるな。

たてついたら往復びんた。

性的虐待

 

「大きくなったら何になりたい?」

「宇宙飛行士」

ビンタ!

なんなんだ、この施設は。

 

子供なので立ち向かうすべがない。

「幽霊」になって過ごすしかない。

 

監査が入っても

急な突然監査ではないため

この隠れた教師の悪い実態は見つからない。

子供たちは真実を言うこともできず

いつも大人の先生に怯えている。

生気がない眼。

顔に痕が残らないような体罰

この先生という肩書のバカ野郎たちの行為に

いら立ち、腹が立ち、死ねとも思った。

 

 

エリックとエルマーの兄弟。

主役の子役二人ですが本当にかわいい。

特に弟のエルマー。

彼は宇宙にとても興味があって

内反足であろうと、決して夢をあきらめない。

月面着陸のテレビ映像をまっすぐに見てるときの

エルマーのキラキラした瞳が印象的。

 

兄のエリックも実に弟想い。

きっとこの兄弟は2人で一緒にいたからこそ

強い精神でいられたのだと思う。

15歳になれば永久許可証をもらえる。

それまで「幽霊」として我慢せねば、の想いで。

 

軍配を付ける気はさらさらないが

どっちかというと弟エルマーの方が

読み書き含め、「知」でとった行動が

最終的に救済、事態を収束させたのだと思う。

 

 

先生集団もゲス野郎が多いが

校長役のラース・ミケルセンがまた憎たらしい役だこと!

サタンのような奴にしか見えない。

ホント暴君。

いい意味で容姿と役が似合っててね。

 

エンドロールの前に

大人になった彼らは今でも依存や抑うつ

って出てたんだ。

やはり小さいころに要らぬ体験をしてしまうと

ずっと引きずって生きていかなければいけない。

人生に大きな影響が出てしまうものなんだ。

実話だから、当時の彼らは今は60歳すぎだよ。

 

あの施設の実態は明るみにされたけれど

決して手放しで喜んではいけないことで

今日もどこかで、と思うと

また筋肉が萎縮するような緊張感に駆られます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

きっと、いい日が待っている(字幕版)