世界一キライなあなたに

 

 

監督 テア・シャーロック

キャスト

エミリア・クラーク…ルイーザ

サム・クラフリン…ウィル

ジャネット・マクティア…ウィルの母

 

 

人それぞれ死への考え方があるだろう。

この映画を見たら特にそう思うだろう。

自分がウィルと同じ立場だったら…

と、思う前に

見終わって考えをまとめる前に

身体が衝動的に動き出してしまった。

思わず、散歩に行きだした。

 

なんだろう。

頭に血がのぼりだした。

血圧でも上がったんだろうか。

ふだんは低血圧なのに。

 

この一連の自分の行動をちゃんと考えたら

私はこの映画に怒りを覚えたらしい。

映画、というよりウィルのことで。

 

悲しいとかじゃなく、

ルーが頑張って考え抜いた計画が水の泡だったことでもなく、

最後に手紙読みながらルーが笑顔で歩き出したっていうとこでもなく

ウィルのかたくなな、頑固一徹な信念に。

ウィルの狭い考え方に。

 

日本でも尊厳死が認められているのなら

ウィルのような選択をする人が多くなるんじゃないかな。

かくいう私も尊厳死は賛成する。

ただし!

身動き一つできない体であって回復が絶望な場合、

意識が全くなく死を待つのみの場合。

ウィルの場合は四肢が麻痺。

だが、首から上は動く。指2本動く。

車いすや介助者等いれば、外出もできる。

ここまでできるのに

尊厳死という自殺を選ぶというのには納得しない。

 

再度いうけど

いろんな考え方があるのは否定しない。

何が正解ともいえない。

けれど私は嫌だ。

 

自分がルーの立場になったら。

自分がウィルの立場になったら。

怒りながらそれも考えてみた。

 

ウィルは金持ちだから。

なのでスイスまで行って死ねるんだよ。

貧乏人はそんなこともできない。

死にたくても死ねないんです。

 

で、なんですか?その理由。

元に戻れないからって。

ルーがいくらウィルのために頑張っても

親の愛がどこまでも深くても

「希望」というのがこれっぽっちも見いだせなかったってこと?

 

華やかで栄光浴びてた過去しか見てない。

バッサリ捨てて第二の人生って思えない。

きっとウィルは恋愛したら

過去を引きずりまくりのしょぼい男なんだろう。

女の方が上書きできるってこういうことか。

 

ウィルはルーのことを思っての選択か?

もっとルーに羽ばたいてほしい。

自分がいたら、ルーはとどまってしまうかもしれないと思って?

 

少し頭が冷えてきた。整理してみた。

ウィルに対して怒りがあったが

考えが甘いのは私なのか?

 

ルーはこれで良かったんだろうか。

精いっぱいウィルに寄り添って

ウィルのことを思ってこの結果に。

 

わからん。

死に対して向き合ったことないからわからん。

一つ言えることは

この結末は私には全くもって合わないってこと。

スイスじゃなくって、まだ崖から落ちて自殺でもしてくれたら

どうにか納得しただろうに。

 

ところで、主役のエミリアクラーク。

動く眉毛がなんとも言えずチャーミングです。

まるで眉毛が生き物のようにウネウネ動く。

それとまだ若いのにおでこのシワがなんとも個性。

 

あ、まだ怒りポイントが!

この邦題どうにかしてくれ!

全然合ってない!

 

 

 

 

世界一キライなあなたに(字幕版)