監督 クリント・イーストウッド
キャスト
クリント・イーストウッド…ウォルト・コワルスキー
ビー・ヴァン…タオ
アー二ー・ハー…スー
3月は昔の良作を見返してみよう月間。
初めて見ました。
グラントリノというぐらいだから
車の映画で綴られるんだろうな、
あんまり車って得意じゃないんだよな。
と敬遠してた一作。
またも自分の偏見で良作を逃してました。
イーストウッドは嫌いではないんですが、
どうも私の志向の偏りで、
西部劇ものを見てきませんでした。
じゃあ「ダーティーハリー」ぐらい見ろよ、
と言われても見てきませんでした。
ここ最近、20年ぐらい前頃から
彼の出演作品を観だしたのって。
出演がどうのというより、
監督&制作者として彼の幅広いアンテナに
興味を抱いてきたので見るようになったかもしれない。
同じようなジャンルの監督ではなく、
え?こんなのもイーストウッドが作ったの!という驚き。
自分が演じられるものは、自らが主演として立つ。
年令で言ったらすでにもう老年に値するのに
彼の勢力と好奇心は果てることがないんだなと思います。
この映画にしてもそう。
ウォルトという堅物じいさん。
前半のコメディにもなりそうな硬さは
ピッタリと彼にハマってます。
それに、後半からのタオと仲良くなっていき
ワルたちに敵討ちしにいく凄味。
自分が今まで西部劇で演じたようなキャラを
自分でイメージして、それを巧く利用してる。
ここのスキルは年の功と言っちゃなんですが、
彼にしかできない技でしょう。
と言っても、ガンマンや荒野等の西部劇は
私は見てないので
イーストウッドがどういう風な役なのか知りませんが。
カウボーイハットをかぶってる彼のイメージとして。
ワルたちに対する報復は
自分が命を懸けてまで行動するものじゃなかった。
警察に通報し、委ねればよかったのに。
という他の人の感想も見てしまいました。
…違うんすよ。
朝鮮戦争まで行って生と死を見てきたウォルト。
自分が罪深い人間で、心に氷の膜を張って生きてきたウォルト。
あと役者イーストウッドではなく、
監督&制作側のイーストウッドが
そんな「助けて!おまわりさーん」なんて頼るわけがない。
ウォルトとイーストウッドの譲れないプライドですよ。
なんか、また他のイーストウッド監督の作品を
見てみたくなりました。
結局、見て良かった映画です。