エターナル・サンシャイン

エターナル・サンシャイン (字幕版)

 

 

監督 ミシェル・ゴンドリー

キャスト

ジム・キャリー…ジョエル

ケイト・ウィンスレット…クレメンタイン

キルスティン・ダンスト…メアリー

 

 

喪失による悲しみを喪失したい。

んー、なんとも苦しいよね。

恋愛に限らず、人生でいろんな悲しみや苦いことを

失くしてしまいたい。

これ、誰しもがフッとよぎることかもしれない。

 

この「悲しみ」「苦しみ」「恥ずかしさ」「失敗」

など経験しなければ

果たして幸福になれるのか。

楽しかったこと、嬉しかったことがあったからこそ

その逆のツライ感情は起こってほしくない。

が、負の感情に至るまでの経緯で

それ以上に正の感情(嬉しさ)のほうが上回るんじゃないかな。

長い人生で振り返ってみると

楽しかった思い出の方が多かったりするし。

 

辛かった出来事だけを忘れるように脳を操作するなんて

表面しか人を見れない浅い人間の出来上がりになっちゃうよ。

ましてや、この映画では

付き合ったことすら、その人と出会ったことすらなかったことにでしょ。

 

だがしかし!

なぜか惹かれ合うので記憶を消してもまた出会う所が

この映画の面白いところ。

たぶんまたまた別れることになるのでしょうが

それを薄々わかった上で2人はオーケーと言う。

これだけ愛し合った2人なのだから

どんな結末が待ってても付き合う価値は2人にはあるのよ。

 

考えてみれば脚本がすごいんだよね。

想像超えてSF仕立てだし。

ジョエルの頭の中で逃げ回ってる2人は

消去されかかってる虚像なんだけど

小さかった頃の記憶にまでさかのぼり

クレメンタインを別の人物に置き換えてでも

どうにかして消されまいとしてるその表現方法が。

ちゃんと見てないとわからなくなるわ。

 

顔芸得意なジムキャリーが今回は笑いをとらない。

クレメンタインの本音では

貧相な笑みを浮かべ、退屈そうな男らしいが

母性本能をくすぐられるイイ男にしか私には見えません。

 

 

 

 

 

 

 

 

エターナル・サンシャイン (字幕版)